エプスタイン文書公開が照らす権力の暗部
米司法省が公開した300万件のエプスタイン関連文書。有名人との関係が明らかになったが、根本的な疑問は依然として残る。
300万件の文書が公開されても、なぜ真相は見えないのか。
米司法省が1月30日に公開したジェフリー・エプスタイン関連の膨大な文書は、権力者たちとの関係を新たに明らかにした一方で、最も重要な疑問には答えを与えなかった。性犯罪で有罪となり獄中で死亡した金融業者エプスタインをめぐる捜査資料の公開は、透明性への要求と捜査の複雑さの間で揺れ動く現代社会の課題を浮き彫りにしている。
明らかになった新事実
今回の文書公開で注目されたのは、エプスタインとスティーブ・バノン(トランプ前大統領の元首席戦略官)、ハワード・ルトニック(現商務長官)、イーロン・マスクとの間で交わされたメールの存在だ。特にルトニックについては、これまでの公式声明と矛盾する内容が含まれていた。
また、ドナルド・トランプとエプスタインによる性的虐待の疑いを記したFBIの情報提供書も公開されたが、これらの主張は未検証で裏付けがないものとされている。2007年に起草されながら最終的に提出されなかった起訴状の草案も含まれていた。
文書公開の背景には、昨年末に議会が可決した法律がある。12月から段階的に開始された公開作業には、ニューヨーク南部地区検事局の弁護士の半数以上を含む数百人の司法省弁護士が関わっている。
公開プロセスの課題
急ピッチで進められた文書公開は、深刻な問題も引き起こした。被害者数十人の実名や未修正の裸体写真など、本来保護されるべき機密情報が誤って公開されてしまったのだ。これは、司法省がこうした資料の公開に慎重な姿勢を取る理由を改めて示している。
トッド・ブランシェ司法副長官は日曜日、「審査は終了した」と述べ、実質的な文書公開はこれで最後になる可能性が高いことを示唆した。ただし、一部の資料については裁判官がまだ公開の可否を検討中だという。
残された根本的疑問
しかし、今回の大規模な文書公開でも、最も重要な疑問は解明されなかった。エプスタインが被害者の証言通り女性や少女を他の男性に斡旋していたのか、そうであればなぜそれらの男性は起訴されなかったのか。これらの核心的な問題について、新たな証拠や明確な答えは得られていない。
来週には、エプスタインの協力者として児童性的人身売買で有罪となったギスレイン・マクスウェルが下院委員会で証言予定だ。また、ジャーナリストたちが数百万件の文書を精査する中で、新たな詳細が明らかになる可能性も残されている。
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