WhatsApp、ブラジルでもAIチャットボット開放へ—メタの「独占」に規制当局が待った
ブラジル競争庁がメタのWhatsApp独占政策を阻止。欧州に続きサードパーティAIチャットボットの利用を義務付け。メッセージ1通0.0625ドルの料金体系で3月11日開始
20億人のユーザーを抱えるWhatsAppで、メタが自社AI以外のチャットボットを排除しようとした計画が、またも規制当局によって阻止された。今度はブラジルだ。
ブラジル競争庁(CADE)は3月5日、メタがサードパーティAIチャットボットのWhatsApp利用を制限する政策変更を停止するよう命じた。これは欧州での同様の決定からわずか1日後のことで、世界最大のメッセージングプラットフォームをめぐる規制圧力が急速に拡大していることを示している。
ブラジル当局の「待った」
CADEの判断は明確だった。「WhatsAppのブラジル・インスタントメッセージ市場における重要性を考慮すると、サードパーティAIチャットボットの禁止は比例原則に反し、競争に害をもたらす可能性がある」と、同庁のカルロス・ジャック理事は述べた。
メタは昨年10月、WhatsApp Business APIでのサードパーティAIチャットボット利用を制限する方針を発表していた。同社は「APIはAIチャットボット向けに設計されておらず、システムに負荷をかける」と説明していたが、実際には自社のMeta AIチャットボットとの競合を避ける狙いがあったとみられる。
対応を迫られたメタは、法的に義務付けられた地域では料金制でサードパーティチャットボットの利用を認めると発表。ブラジルでは3月11日から「非テンプレートメッセージ」1通につき0.0625ドル(約9円)を課金する。
開発者たちの複雑な反応
一方、この決定を歓迎する声がある一方で、開発者コミュニティからは懸念の声も上がっている。TechCrunchの取材に対し、複数の開発者は「メタが設定した料金体系は高額で、サービス再開をためらわせる」と語った。
CADEへの申し立てを行ったZapia社は声明で「人々は自分が使うAIツールを自由に選ぶべきで、イノベーションは人々が日常的に依存するプラットフォームが開放的であってこそ繁栄する」と述べ、ラテンアメリカ全域での制限撤廃を続けて求めていく方針を示した。
日本企業への波及効果
この動きは日本のテック企業にとっても注視すべき展開だ。LINEを運営するLINEヤフーや、AIアシスタント開発を進めるソフトバンク、NTTドコモなどは、グローバルプラットフォームでの競争環境変化を踏まえた戦略見直しが必要になるかもしれない。
特に、日本政府が推進するデジタル庁のAI戦略や、経済産業省の生成AI活用推進政策との整合性も問われることになる。プラットフォーム開放が世界的トレンドとなれば、日本市場でも同様の議論が活発化する可能性が高い。
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