リンゼイ・ボン、復帰戦で重傷事故
元五輪女王リンゼイ・ボンが復帰戦で重傷事故。40歳での挑戦が問いかけるスポーツ界の「年齢の壁」とは?
40歳で競技復帰を果たした元五輪女王リンゼイ・ボンが、冬季オリンピックのダウンヒル競技で重傷事故に見舞われた。
何が起こったのか
ボンは2月7日、冬季オリンピックのダウンヒル競技に出場中、コースの急斜面で制御を失い激しく転倒した。現場からは緊急搬送され、詳しい怪我の状況は明らかにされていないが、関係者は「深刻な状態」と説明している。
2019年に現役引退を表明していたボンは、82勝という女子ワールドカップ史上最多勝利記録を持つレジェンド。今回の復帰は多くのスキーファンにとって驚きのニュースだった。
復帰への道のり
ボンの復帰決定は昨年11月に発表された。「まだやり残したことがある」として、5年間のブランクを経ての挑戦だった。しかし、復帰戦となった今回のレースで、最も恐れていた事態が現実となった。
彼女のキャリアは常に怪我との闘いでもあった。膝の手術を6回受け、2013年には右膝の前十字靭帯断裂で長期離脱。それでも競技への情熱を失わず、2018年平昌五輪では銅メダルを獲得していた。
スポーツ界の「年齢神話」
ボンの事故は、スポーツ界における年齢の問題を改めて浮き彫りにした。近年、トム・ブレイディ(45歳でNFL引退)やセリーナ・ウィリアムズ(40歳でテニス引退)など、アスリートの競技寿命は確実に延びている。
しかし、アルペンスキーのダウンヒルは時速130キロを超える極限スポーツ。若い選手でも重傷事故が絶えない競技で、40歳での挑戦がいかに危険かを物語っている。
スポーツ医学の専門家は「技術と経験は年齢とともに向上するが、反射神経と筋力の衰えは避けられない」と指摘する。特に瞬時の判断が生死を分けるダウンヒルでは、この差が致命的になりかねない。
日本のスポーツ界への示唆
日本でも高齢アスリートの活躍が目立つ。葛西紀明は50歳を超えてもスキージャンプを続け、三浦知良は59歳でサッカー現役を貫く。しかし、ボンの事故は「挑戦」と「リスク」の境界線について重要な問題を提起している。
日本のスポーツ界では「引き際の美学」が重視されがちだが、アスリート個人の意志をどこまで尊重すべきか。競技団体や周囲の責任はどこまでか。これらの議論が今後活発になりそうだ。
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