ルネサス6年ぶり赤字転落、AI好況の恩恵受けられず
日本半導体大手ルネサスが2025年に6年ぶりの赤字。自動車チップ不振とAI関連売上低迷が要因。キオクシアに時価総額で抜かれ、日本半導体業界の構造変化が鮮明に。
世界がAIブームに沸く中、日本の半導体大手ルネサスエレクトロニクスが6年ぶりの赤字に転落した。同社の主力である自動車向けチップの需要低迷と、AI関連事業での出遅れが重なった結果だ。
自動車チップ依存の代償
ルネサスの2025年決算は、米国パートナーの破綻と自動車向け半導体の需要減速が直撃した。同社は長年、車載半導体分野で強みを発揮してきたが、電気自動車への移行期における需要の変動に対応しきれなかった。
一方で、AIチップ市場は数兆円規模に拡大している。エヌビディアやTSMCなどが記録的な業績を上げる中、ルネサスのAI関連売上比率は依然として低水準にとどまっている。
昨年10月には、メモリー製造大手のキオクシアホールディングスに時価総額で抜かれ、日本の半導体業界におけるポジションにも変化が生じている。
日本半導体業界の分岐点
ルネサスの苦境は、日本の半導体業界全体が直面する構造的課題を浮き彫りにしている。従来の得意分野である自動車や産業機器向けチップから、成長著しいAI・データセンター向け製品への転換が急務となっている。
同社はAI関連事業の強化を進めているが、既に先行する海外勢に対してどこまで追いつけるかは不透明だ。日本政府が推進する半導体戦略においても、ラピダスなどの次世代チップ製造に注目が集まる中、既存企業の再生も重要な課題となっている。
トヨタをはじめとする日本の自動車メーカーは、半導体不足への対応として調達先の多様化を進めており、ルネサスにとっては従来の顧客関係にも変化が生じている。
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