航空会社が搭乗拒否義務化、日本の入国管理が変わる
2028年度から航空会社に無許可渡航者の搭乗拒否を義務付ける入管法改正案。在留手数料も値上げで、日本の外国人受け入れ政策の転換点となるか。
成田空港の出発ゲート前で、搭乗券を手にした旅行者が搭乗を拒否される。2028年度から、これが日本各地の空港で日常的な光景になるかもしれない。
政府が今国会に提出予定の入管法改正案は、航空会社に対して適切な許可を持たない旅行者の搭乗拒否を義務付ける内容を含んでいる。同時に、在留手数料も引き上げられ、増加するコストをカバーする方針だ。新システムは入国審査の待ち時間短縮を目的としているが、その影響は航空業界から外国人労働者まで広範囲に及ぶ。
航空会社に新たな責任
改正案の核心は、航空会社への責任転嫁にある。これまで入国審査で発覚していた問題を、出発地点で事前に防ぐ仕組みだ。JALやANAをはじめとする日本の航空会社は、新たなシステム導入と職員研修に追加投資が必要になる。
国際的には、米国やオーストラリアが既に類似の制度を導入している。しかし、日本の場合は観光立国を掲げながらも、水際対策を強化するという複雑な立場にある。年間3000万人を超える訪日外国人の中から、無許可者を事前に識別する作業は技術的にも運用的にも大きな挑戦となる。
外国人労働者への影響
在留手数料の値上げは、日本で働く外国人労働者にとって新たな負担となる。特に技能実習生や特定技能労働者など、所得水準が比較的低い層への影響は深刻だ。
一方で、この措置は日本の労働力不足問題と密接に関連している。人手不足に悩む地方自治体や企業にとって、外国人労働者の確保はますます重要になっている。手数料負担の増加が、優秀な人材の日本離れを招く可能性も指摘されている。
観光立国との矛盾
政府は観光立国を推進する一方で、入国管理の厳格化を進めている。この一見矛盾する政策の背景には、急増する訪日外国人による社会的摩擦や、不法滞在者の増加への懸念がある。
京都や鎌倉などの観光地では、オーバーツーリズムが深刻な問題となっている。住民の生活環境悪化や文化財の保護問題を受け、「量より質」の観光政策への転換を求める声も高まっている。新たな入管制度は、こうした課題への対応策の一環とも言える。
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