トランプ氏の「ガザ平和委員会」構想にイスラエルが反発、2026年の外交摩擦が表面化
2026年、トランプ大統領が主導する「ガザ平和委員会」構想に対し、イスラエルが反発。事前調整不足と異例のメンバー構成が波紋を呼んでいます。10億ドルの拠出金問題も含め、中東外交の最前線をChief Editorが分析します。
平和のための握手のはずが、当事者不在のまま進んでいました。アメリカのドナルド・トランプ大統領が主導するガザ再建計画「平和委員会(Board of Peace)」を巡り、イスラエル政府が強い不快感を示しています。ロイター通信によると、イスラエルのネタニヤフ首相は緊急の顧問会議を招集。事前調整なしに進められたこの構想が、自国の政策に反すると主張しています。
イスラエルを排除した「ガザ平和委員会」の全貌
この委員会は、トランプ氏が掲げるガザ紛争終結に向けた20項目計画の一環として設立されました。主な役割はガザ地区の統治と復興の管理ですが、その構成メンバーが議論を呼んでいます。公表された「ガザ執行理事会」には、イギリスの元首相トニー・ブレア氏やトランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏に加え、イスラエルに批判的なトルコの外相やカタール当局者が名を連ねています。
一方で、イスラエル側のメンバーは現在、キプロスを拠点とする実業家のヤキール・ガバイ氏ただ一人であり、パレスチナ人は一人も含まれていません。この歪な構成に対し、イスラエルのベングビール国家治安相は「ガザに必要なのは更生ではなく、ハマスの掃討だ」と激しく反発しています。
10億ドルの参加費と揺れる国際社会
委員会の運営資金についても驚きの事実が判明しました。ブルームバーグの報道によれば、トランプ氏は参加国に対し10億ドル(約1,500億円)の拠出を求めているとのことです。ただし、米当局は「支払いなしでも3年間のメンバーシップ維持は可能」と説明し、火消しに努めています。
カナダのマーク・カーニー氏は構想自体には賛意を示しつつも、資金面などの詳細については慎重な姿勢を崩していません。現在、正式に参加を表明しているのは、トランプ氏に近いハンガリーのオルバン首相のみとなっています。
記者
関連記事
トランプ大統領がイランとの交渉に「まだ満足していない」と発言。ホルムズ海峡の封鎖継続と原油価格高騰が続く中、日本経済への影響と外交の行方を多角的に読み解く。
イスラエル軍がレバノン南部の約14%に相当する地域を「戦闘地帯」と宣言し、大規模な避難命令を発令。停戦合意後最大規模の軍事行動が中東情勢に与える影響を多角的に分析。
イスラエルがヒズボラへの攻撃を急激に強化。停戦合意後も続く交戦で31人が死亡し、中東の緊張が再び高まっている。その背景と国際社会への影響を読み解く。
イスラエルがハマス軍事部門の新司令官モハンマド・オデーをガザ市内の空爆で殺害。停戦合意下で続く攻撃が中東和平プロセスに何を意味するのか、多角的に考察します。
意見
この記事についてあなたの考えを共有してください
ログインして会話に参加