米イラン戦争の開始:「確信」が招く危険な賭け
トランプ大統領がイラン攻撃を発表。両国の過度な自信が長期戦の可能性を示唆する中、日本への影響と地域安定への懸念が高まっている。
31%。この数字は、世界の海上原油輸送の何パーセントがホルムズ海峡を通過するかを示している。そして今、この重要な航路が戦争の舞台となろうとしている。
突然の戦争宣言
ドナルド・トランプ大統領は2月28日早朝、米国とイスラエルがイラン攻撃を開始したと発表した。「差し迫った脅威の排除」「ミサイル産業の完全破壊」「海軍の殲滅」、そして「イラン国民による政府転覆」を目標に掲げた宣言は、単なる限定攻撃を超えた野心を示している。
この攻撃は数週間にわたる軍事力増強の結果だった。米軍は2つの空母打撃群、数十機の戦闘機、そして核潜水艦を中東地域に展開。この規模は2003年のイラク侵攻以来最大の戦力集中とされている。軍事専門家によると、これは数日ではなく「数週間」の作戦を想定した配備だという。
変化する戦争の目的
興味深いことに、戦争の「理由」は時間とともに変化している。当初トランプ氏が1月にイランを脅威視したのは、経済抗議デモへの弾圧が原因だった。しかし抗議は既に収束し、数千人の犠牲者を救うには手遅れとなっている。
現在の焦点はイランの核開発計画だ。昨年6月の攻撃で「壊滅」したとされたが、米政府は今度はウラン濃縮の完全停止を要求している。さらに弾道ミサイル計画や、ヒズボラ、フーシ派などの代理組織への支援停止も求めている。
しかし最新の発言は、イスラム共和国との交渉ではなく「体制転覆」を示唆している。トランプ氏は今月、イランの政権交代が「最良の結果」だと述べ、土曜日にはイラン国民に政府転覆を呼びかけた。
長期戦の現実
多くのアメリカ人は昨年6月の「ミッドナイト・ハンマー作戦」のような短期決戦を想像しているかもしれない。しかし今回は根本的に異なる。
6月の戦争は主にイスラエル主導で、米国は勝利が確実になってから参加した。今回は米国が最初から主導権を握り、より広範囲な作戦を計画している。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、検討されている選択肢には「数十人のイラン政治・軍事指導者の殺害による政府転覆」と「核・ミサイル施設への限定空爆」の両方が含まれている。
イランの報復能力も侮れない。核開発計画は打撃を受けたものの、弾道ミサイル戦力の再構築に努めており、米軍基地、イスラエル、湾岸諸国への反撃が予想される。先週にはホルムズ海峡を一時封鎖する軍事演習も実施した。
日本への波及効果
この紛争は日本にとって深刻な懸念材料だ。中東からの原油輸入に依存する日本経済にとって、ホルムズ海峡の封鎖や原油価格高騰は直接的な打撃となる。トヨタやソニーなどの製造業も、エネルギーコスト上昇とサプライチェーン混乱に直面する可能性が高い。
岸田政権は慎重な立場を維持しているが、日米同盟の枠組み内で難しい判断を迫られている。イランとの伝統的な友好関係を持つ日本が、仲介役を果たす可能性も議論されている。
危険な過信
最も懸念すべきは、両国が戦争の結果について「危険なほど確信している」ことだ。米国は大きな反撃を受けることなくイランに損害を与えられると考え、イランは米国に戦略的敗北を与えられると信じている。
トランプ氏はこれまでの軍事作戦で批判者の懸念を覆してきた実績がある。しかし今回検討されている規模の作戦は、彼が過去に批判した「泥沼の戦争」そのものではないだろうか。
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