米イスラエル、イラン攻撃を開始 トランプ大統領「最高指導者死亡」と主張
米イスラエルがイランへの大規模軍事作戦を開始。トランプ大統領はハメネイ師の死亡を主張するが、イラン側は否定。中東情勢の新たな局面に突入。
47年間続いた米イラン対立が、ついに武力衝突という新たな段階に入った。2月28日、アメリカとイスラエルがイランに対する大規模軍事作戦「オペレーション・エピック・フューリー」を開始。ドナルド・トランプ大統領はアリー・ハメネイ最高指導者の死亡を主張したが、イラン当局はこれを否定している。
8カ月ぶりの軍事行動
今回の攻撃は、昨年6月の「オペレーション・ミッドナイト・ハンマー」でイランの核施設を攻撃してから8カ月ぶりの大規模軍事作戦となる。米中央軍(CENTCOM)によると、作戦は現地時間午前1時15分に開始され、革命防衛隊の指揮統制施設、防空システム、ミサイル・ドローン発射基地を標的とした。
イラン側も即座に反撃し、地域内の米軍施設に向けてミサイルを発射。しかし米軍の被害は「最小限」に留まったとCENTCOMは発表している。
トランプ大統領は8分間の動画声明で、この作戦を「邪悪で過激な独裁政権」からアメリカを守るための「大規模かつ継続的な」作戦だと説明。その後のソーシャルメディア投稿ではハメネイ師の死亡を断言し、「イラン国民が自国を取り戻す最大のチャンス」と表現した。
核交渉の行き詰まりが引き金
今回の軍事行動の背景には、米イラン間の間接核交渉の完全な行き詰まりがある。トランプ大統領は「イランは核野心を放棄するあらゆる機会を拒絶した。もう我慢できない」と述べ、47年間にわたるイランの「反米キャンペーン」の歴史を振り返った。
特に1979年のテヘラン米大使館占拠事件から始まったとする対立の歴史を強調し、「イランのテロ政権は決して核兵器を持ってはならない」と改めて宣言。イランのミサイル産業の「完全殲滅」と海軍の「壊滅」を予告した。
国際社会の反応と懸念
マイク・ジョンソン下院議長(共和党)は「イランは悪行の深刻な結果に直面している」と攻撃を支持。一方、下院情報委員会の民主党筆頭理事ジム・ハイムズ議員は「戦略的終着点のない選択的戦争」と批判し、「この地域での軍事行動は米国にとって良い結果をもたらすことはほとんどない」と警告した。
ベンジャミン・ネタニヤフイスラエル首相とも電話会談を行ったトランプ大統領は、「中東全体、そして世界の平和」を目標とする作戦の継続を宣言。しかし、アメリカが中国という「最大の地政学的ライバル」への対処に集中しようとする中での中東への軍事関与拡大は、戦略的リソースの分散という新たな課題を生んでいる。
日本への影響と課題
今回の軍事衝突は日本にとっても重大な意味を持つ。中東からの石油輸入に依存する日本経済にとって、ホルムズ海峡周辺の安定は死活問題だ。また、イランとの歴史的に良好な関係を維持してきた日本の外交的立場も微妙な局面を迎える。
岸田政権は「関係各国に緊張緩和への最大限の努力」を求める声明を発表したが、同盟国アメリカへの支持と地域安定への配慮のバランスが問われている。
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