トランプ大統領、イランへの大規模軍事作戦を開始
米国とイスラエルが協調してイランに軍事攻撃を実施。核交渉の行き詰まりと中東情勢の緊迫化が背景に。日本への影響と世界秩序への含意を分析。
47年間続いてきた米イラン対立が、ついに全面戦争の段階に入った。トランプ大統領は2月28日、イランに対する「オペレーション・エピック・フューリー」の開始を発表。これは8か月前の核施設攻撃に続く、さらに大規模な軍事作戦である。
核交渉決裂から軍事行動へ
トランプ大統領はTruth Socialで公開した動画で、「アメリカ人に対する差し迫った脅威」からの防衛を理由に挙げた。背景には、イランの核開発計画をめぐる間接交渉の完全な行き詰まりがある。
「彼ら(イラン)は核開発の野心を放棄するあらゆる機会を拒絶した。もはや我慢できない」とトランプ大統領は述べ、イランが核計画の再構築と長距離ミサイル開発を続けていると非難した。
米国とイスラエルの協調攻撃は、航空機と空母からの一斉攻撃として実行された。これに対しイランは、カタール、クウェート、UAE、バーレーンの米軍施設に報復攻撃を行ったと報じられている。
世界秩序への深刻な挑戦
今回の軍事行動は、アメリカが中国との戦略的競争に集中したい時期に発生している点で特に重要だ。中東での大規模な軍事作戦は、インド太平洋地域での対中抑止力に影響を与える可能性がある。
トランプ大統領は「世界のどの軍隊も、我が軍の力、強さ、洗練度には遠く及ばない」と強調したが、同時にイラン国民に対して「政府を打倒せよ」と呼びかけた。これは内政干渉の側面も含んでおり、国際法上の議論を呼ぶだろう。
議会指導部への事前通知は行われたものの、民主党のジム・ハイムズ下院議員は「戦略的な出口戦略のない選択的な戦争」と批判。「この地域での軍事行動は、アメリカにとって良い結果をもたらすことはほとんどない」と警告した。
日本への多重影響
この軍事衝突は日本にとって複数の懸念材料となる。まず、ホルムズ海峡を通る石油輸送への影響で、日本のエネルギー安全保障が脅かされる可能性がある。
防衛面では、アメリカの中東への軍事資源集中が、日本周辺での米軍プレゼンスに影響を与える恐れがある。特に中国や北朝鮮の動向を注視する必要がある時期だけに、日本の安全保障環境への影響は深刻だ。
経済的には、原油価格の急騰や中東市場での日本企業の事業への影響が予想される。また、国際的な制裁体制の変化により、日本の対イラン政策の見直しも迫られるかもしれない。
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