イラン、ウラン濃縮縮小を条件付きで提案—中東の核交渉に新展開
イランが60%濃縮ウランの希釈を条件付きで提案。制裁解除と引き換えの核交渉で、トランプ政権との駆け引きが本格化。中東情勢への影響を分析。
オマーンの首都マスカットで、静かな外交が動いている。2月9日、イランの原子力庁長官モハマド・エスラミが記者団に語った一言が、中東の核をめぐる膠着状態に新たな動きをもたらした。「米国が制裁を解除するなら、60%に濃縮したウランを希釈する用意がある」—この発言は、トランプ政権との水面下交渉における重要なシグナルとして受け止められている。
核兵器級に迫る濃縮レベルの意味
イランが現在保有する60%濃縮ウランは、核兵器製造に必要な90%に技術的に非常に近い水準だ。国際原子力機関(IAEA)によると、核兵器を保有しない国でこの濃縮レベルに達しているのはイランだけである。
エスラミ長官の提案は、このウランを他の物質と混合して濃縮度を下げることを意味する。これは2015年の核合意でイランが約束していた措置の一つでもあった。当時の合意では、イランは濃縮レベルを3.67%以下に制限し、核開発計画を大幅に縮小する代わりに、段階的な制裁解除を受けることになっていた。
しかし、2018年にトランプ前政権がこの合意から一方的に離脱し、制裁を再発動。イランも2019年から合意の制限を段階的に破り始め、現在の高濃縮に至っている。
水面下で進む複雑な駆け引き
今回のエスラミ発言のタイミングは偶然ではない。イランの最高国家安全保障委員会事務局長アリ・ラリジャニが2月10日、仲介役のオマーンを訪問する直前だった。ラリジャニはイラン政府内でも最高位の一人であり、最高指導者ハメネイ師の信頼も厚い人物だ。
トランプ大統領は先週金曜日、交渉について「非常に良好」と評価しながらも、「合意に至らなければ厳しい結果が待っている」と警告を続けている。実際、米軍は空母を中心とする艦隊を中東に派遣し、軍事的圧力を維持している。
一方、イランのロウハニ大統領は交渉を「公正でバランスの取れた解決への重要な機会」と位置づけ、「核の権利の保証」と「不当な制裁の解除」を求めている。両国とも交渉継続の意志を示しているが、相互不信の壁は依然として高い。
地域バランスへの影響
2月12日にはネタニヤフイスラエル首相がワシントンを訪問し、トランプ大統領と会談する予定だ。イスラエルはイランとの交渉に強硬姿勢を求めており、核問題だけでなく弾道ミサイル開発や地域での影響力拡大についても制限を要求している。
キングス・カレッジ・ロンドンのアンドレアス・クリーグ准教授は、「米国とイランは数週間前よりも合意に近づいているように見える」と分析する一方で、「戦略的枠組みでの前進を具体的な詳細にどう落とし込むかが問題だ」と指摘している。
日本にとって、この交渉の行方はホルムズ海峡を通る石油輸送の安定性に直結する。日本の石油輸入の約30%が同海峡を経由しており、中東情勢の安定は日本のエネルギー安全保障の根幹に関わる問題だ。
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