インドネシア、28社の資産接収で投資環境に暗雲
プラボウォ政権の環境違反企業への強硬策が外国投資家に警戒感を与える中、国家資本主義への転換が議論を呼んでいる
28社の許可取り消しと資産接収——インドネシア政府の突然の発表が、東南アジア最大の経済大国で事業を展開する企業に衝撃を与えている。
プラボウォ・スビアント大統領は今月、環境違反を理由に28社の事業許可を取り消し、同時に政府系ファンド「ダナンタラ」を通じてこれらの企業資産を接収する方針を表明した。対象企業は主に鉱業、パーム油、林業関連で、昨年12月にスマトラ島で発生した洪水被害の一因とされる森林破壊への対応として位置づけられている。
法的手続きへの疑問
問題は、この決定プロセスの透明性だ。経済アナリストらは、適正な法的手続きが踏まれていない可能性を指摘している。通常、企業の資産接収には裁判所の判決が必要だが、今回は行政判断のみで実行された。
ジャカルタ商工会議所のスリ・アディニンシ会頭は「投資家にとって予測可能性が重要だが、今回の措置はその信頼を損なう」と懸念を表明。外国投資家の間では、自社の資産も突然の政策変更で危険にさらされるのではないかという不安が広がっている。
実際、インドネシア株式市場は9%近く下落し、ルピアも過去最安値を更新。MSCIがインドネシア株の新規組み入れを凍結するなど、国際的な信用失墜が現実となっている。
「国家資本主義」への転換点
より深刻なのは、この動きがプラボウォ政権の経済政策の方向性を示している点だ。ダナンタラは1,000兆ルピア(約10兆円)規模の政府系投資ファンドとして設立され、接収した企業資産の運営主体となる予定だ。
エコノミストらは、これを「国家資本主義」への転換と分析している。民間企業主導の市場経済から、政府が直接的に経済活動をコントロールするモデルへの移行を意味する可能性がある。
興味深いのは、この政策が環境保護を名目としながら、実際には政府の経済統制強化につながっている点だ。環境違反は確かに深刻な問題だが、それを理由とした資産接収が適切な解決策なのかという疑問が残る。
日本企業への波及効果
日本企業にとって、インドネシアは重要な投資先の一つだ。トヨタ、ホンダなどの自動車メーカー、三菱商事、伊藤忠商事などの商社が大規模な事業を展開している。
今回の措置は直接的には日系企業を対象としていないが、投資環境の予測可能性という観点で大きな懸念材料となっている。特に、環境規制の解釈が政治的判断に左右される可能性が示されたことで、長期投資計画の見直しを迫られる企業も出てくるだろう。
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