インド、米主導「Pax Silica」参加で半導体同盟の勢力図が変わる
インドが米国主導のPax Silica半導体同盟に参加。BRICS加盟国でありながら米国陣営入りする意味とは?日本企業への影響を分析。
世界最大の民主主義国家インドが、米国主導の半導体同盟「Pax Silica」に参加することが決定した。これはトランプ政権にとって、AI時代の技術覇権争いにおける最大の外交的勝利となる可能性が高い。
「沈黙の平和」が意味するもの
Pax Silica(シリコンの平和)は、シリコン系技術のグローバル供給網確保を目的としたトランプ政権の戦略的イニシアチブだ。すでに日本、韓国、シンガポール、オランダ、イスラエル、英国、オーストラリア、カタール、UAEが中核メンバーとして参加している。
「Pax Silicaは中国についてではなく、アメリカについてです。私たちは供給網を確保したいのです」と、ジェイコブ・ヘルバーグ国務次官(経済担当)はCNBCに語った。
インドの参加が2月20日にニューデリーで開催される「India AI Impact Summit」で正式発表される予定だ。これは世界最大級の技術市場を持ち、同時にBRICS加盟国でもあるインドが、米国陣営に明確に軸足を移すことを意味する。
日本にとっての意味
日本企業にとって、インドの参加は複雑な意味を持つ。一方で、ソニーや任天堂などの日本企業がインド市場でAI半導体を活用した製品展開を進める際、調達面でのメリットが期待できる。
国務省は新たに「コンシェルジュサービス」を導入し、Pax Silica加盟国が米国製AI半導体をより効率的に調達できるよう支援する。「これは外交官をアメリカAIのビジネス開発担当者に変える取り組みです」とヘルバーグ氏は説明した。
透明性への疑問
しかし、この同盟には透明性に関する懸念も浮上している。ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、UAEのシェイク・タハヌーン・ビン・ザーイド・アール・ナハヤーンがトランプ一族の暗号通貨事業「World Liberty Financial」の49%の株式を5億ドルで密かに取得した。その数か月後、米国はUAEに年間50万個の最先端AI チップへのアクセスを認めた。
議会からは利益相反や汚職の可能性について警告の声が上がっている。
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