米民主党、ICEの顔認識技術禁止法案を提出
米上院民主党議員が移民当局の顔認識技術使用を禁止する法案を提出。生体認証データの削除と個人の損害賠償請求権も盛り込む
米国の上院民主党議員らが、移民・税関執行局(ICE)と税関・国境警備局(CBP)による顔認識技術の使用を禁止する法案「ICE Out of Our Faces Act」を提出しました。この法案は、移民当局による生体認証監視システムの取得、所有、アクセス、使用を違法とし、過去に収集されたデータの削除も義務付けています。
包括的な生体認証禁止
法案は顔認識技術だけでなく、音声認識など他の生体認証監視技術も対象としています。移民当局職員が「生体認証監視システム」や「他の機関が運営する生体認証監視システムから得られた情報」を取得、所有、アクセス、使用することを禁止する内容です。
連邦政府は、生体認証監視システムから得られたデータを法廷での事件や捜査に使用することも禁じられます。違反があった場合、個人は連邦政府に対して金銭的損害の賠償を求めて訴訟を起こす権利を持ち、州の司法長官も住民を代表して訴訟を提起できるようになります。
移民政策とテクノロジーの交差点
この法案は、トランプ政権時代から続く厳格な移民執行政策と、急速に発展する監視技術の交差点で生まれた議論を反映しています。ICEとCBPは近年、国境管理や移民執行の効率化を目的として、顔認識技術の導入を進めてきました。
一方で、市民権団体やプライバシー擁護者は、こうした技術が移民コミュニティに対する過度な監視につながり、憲法で保障された権利を侵害する可能性があると警告してきました。特に、誤認識による冤罪や、合法的滞在者への不当な捜査のリスクが指摘されています。
日本への示唆
日本でも、出入国管理における生体認証技術の活用は進んでいます。2007年から外国人の指紋・顔写真登録が義務化され、2020年には顔認証ゲートの本格運用が始まりました。しかし、米国の議論は日本にとっても重要な示唆を含んでいます。
NECやパナソニックなど、日本企業も顔認識技術分野で世界的に競争力を持っています。米国での規制動向は、これらの企業の海外展開戦略に影響を与える可能性があります。また、技術の社会実装において、プライバシー保護と安全保障のバランスをどう取るかという課題は、日本社会にとっても避けて通れない問題です。
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