トランプ氏の「平和委員会」に英国が不参加表明。プーチン大統領の関与を懸念、ダボスで波紋
2026年1月、トランプ米大統領が提唱する「平和委員会」への署名を英国が見送りました。プーチン大統領の関与や国連の代替を狙う組織の性質に懸念を示しています。ダボスでの外交攻防の舞台裏を詳報。
平和を掲げる握手の裏に、拭いきれない不信感が漂っています。ダボスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)にて、トランプ米大統領が提唱する新たな国際組織「平和委員会(Board of Peace)」の署名式が行われましたが、英国はこれへの参加を当面見送ることを明らかにしました。
英国が平和委員会への署名を拒んだ「プーチン・リスク」
英国のイヴェット・クーパー外相は、BBCの取材に対し、現時点での署名を行わない決断を下したと語りました。最大の理由は、ロシアのプーチン大統領の参加です。クーパー氏は、「ウクライナで平和への意志を示していない人物が、平和を語る枠組みに加わることには強い懸念がある」と強調しました。
トランプ氏は、プーチン氏が招待を受け入れたと述べていますが、ロシア側は「まだ検討中である」と慎重な姿勢を崩していません。ウクライナの強力な同盟国である英国にとって、ロシアとの安易な妥協は受け入れがたい一線といえます。
ガザ支援を超えた「国連に代わる組織」への警戒
当初、この委員会はガザ地区の再建を目的として発表されました。しかし、リークされた憲章草案によると、その権限は紛争地域の統治支援や法秩序の回復など、従来の国際連合(UN)の機能を代替しかねない広範な内容を含んでいます。クーパー外相は、これが「法的義務を伴う広範な条約」であることを指摘し、拙速な合意に警鐘を鳴らしました。
- サウジアラビア、トルコ、エジプト、イスラエルなどが参加を表明。
- 設立理事会には、トニー・ブレア元英首相やジャレッド・クシュナー氏が名を連ねる。
- 永久議席を得るための拠出金は10億ドル、任期は3年間。トランプ氏が議長として絶大な権限を持つ。
トランプ氏と英国の間では、グリーンランドの割譲要求を巡る関税問題で緊張が高まっていましたが、トランプ氏が関税撤回を示唆したことで最悪の事態は回避されました。しかし、この「平和委員会」を巡る対立は、トランプ流の新しい国際秩序と、従来の同盟関係との間の深い溝を改めて浮き彫りにしています。
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