「助けてください、死にたくない」——戦火の海峡に閉じ込められた2万人の船員たち
ホルムズ海峡周辺で約2万人の船員が戦火に閉じ込められている。ITFには1,000件超のSOSが届き、食料不足・帰還困難・賃金未払いが深刻化。日本の輸入エネルギーへの影響も懸念される。
「爆撃されています。死にたくない。助けてください」——ある船員が夜中の2時、スペインにいる労働組合の担当者に電話でそう叫んだ。
2026年2月28日、米国とイスラエルによるイランへの攻撃をきっかけに中東情勢が急変して以来、ホルムズ海峡とその周辺海域では、世界の海上貿易を支える船員たちが戦火の中に取り残されています。国連の海事機関であるIMO(国際海事機関)によると、現在この地域で身動きが取れない船員の数は約2万人。少なくとも8人の船員または港湾労働者がすでに命を落としています。
「食料も水もない」——届き続けるSOS
3月24日、国際運輸労連(ITF)のサポートチームに一通のメールが届きました。「船が深刻な状況に置かれていることを緊急にお知らせします。食料、飲料水、生活必需品の即時供給が必要です」——送信者は匿名を条件にAFPと情報を共有した、ある貨物船の船員でした。
ITFが2月28日以降に受け取ったメールやメッセージは1,000件超。その内容は多岐にわたります。戦争地帯での航行権について問い合わせるもの、自分たちの船のすぐ近くで爆発が起きている動画を送り「船から降ろしてほしい」と懇願するもの、そして賃金が戦時割増になるかどうかを確認するものまで。
ITFのアラブ世界・イラン担当ネットワークコーディネーター、モハメド・アラシェディ氏はAFPの取材に対し、「本当に衝撃的な状況です。インターネットにアクセスできる瞬間を見計らって、夜中の2時や3時に電話がかかってきます」と語っています。
帰国を求める声に対し、船会社側は「イラクから飛行機がない」として代替ルートも拒否するケースが報告されています。3月18日にITFへ送られたメールには、こう記されていました。「安全への懸念を伝えても、貨物作業や船間移送(STS)を続けるよう強制されています。選択肢が何もない状況に置かれています」。
「日当16ドル」——保護されない船員たちの現実
国際交渉フォーラム(IBF)はすでにこの海域を「戦争地帯」と認定しており、これにより対象船員には帰国費用の会社負担や賃金の2倍支給といった特別な権利が生じます。ただし、これはIBF協定が適用される約15,000隻に限られた話です。
問題は、多くの船員がそうした労働協定のない船で働いているという現実です。あるメールには、「自分の日当が16ドルから32ドルになるか確認したい」という問い合わせがありました。ITFは、このような低賃金そのものが、船主が適切な労働協定を結んでいないことを示していると指摘します。
ITFのサポートチームメンバーであるルシアン・クラチウン氏は「受け取るメールの約50%が賃金に関するものです」と述べ、「危険な状況にいながらも、経済的に船を降りられない船員が多い」と説明しています。
別の支援団体ISWAN(国際船員福祉支援ネットワーク)も、開戦以来、相談件数が15〜20%増加したと報告。そのうち3分の1が帰国困難に関する相談です。
日本のエネルギーと、見えない「海の労働者」
日本にとって、ホルムズ海峡は単なる遠い海ではありません。日本が輸入する原油の約9割は中東を経由しており、そのほとんどがこの海峡を通過します。タンカーの運航が滞れば、エネルギー価格や物流コストへの影響は避けられません。
しかし、この危機が浮き彫りにするのは、もっと根本的な問題かもしれません。世界の海上貿易を支える約200万人の船員の多くは、フィリピン、インド、ミャンマーなどアジア出身者です。彼らは低賃金・長期乗船・法的保護の不備という構造的な問題を抱えながら、私たちの消費生活を文字通り「海の上」で支えています。平時でさえ脆弱なその立場が、戦争という極限状態でより鮮明に露わになっています。
日本の海運会社や商社は、こうしたサプライチェーンの末端で何が起きているかを、どこまで把握しているのでしょうか。そして、消費者である私たちは?
本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。
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