ナイジェリア北西部で50人以上が犠牲に、米軍介入の背景にある複雑な現実
ナイジェリアで武装集団による襲撃が続発し、米軍が軍事介入を開始。アフリカの安全保障問題が国際化する中、日本の対応は?
50人以上が一夜にして命を奪われた。ナイジェリア北西部ザムファラ州のトゥンガン・ドゥツェ村で2月20日夜から21日未明にかけて起きた武装集団による襲撃は、この地域が直面する深刻な安全保障危機の一端を物語っている。
襲撃の詳細と住民の証言
木曜日の夜遅く、150台以上のオートバイに乗った武装集団がトゥンガン・ドゥツェ村を襲撃した。彼らは建物に火を放ち、住民を拉致し、少なくとも50人を殺害した。現地選出のハミス・A・ファル議員は「彼らは村から村へと移動し、死者を出し続けている」と語る。
住民のアブドゥライ・サニさん(41歳)は、襲撃の前日に武装集団の存在を治安部隊に通報していたが、何の対応もなかったと証言している。「昨夜は誰も眠れなかった。私たちは皆、苦痛の中にいる」。彼の家族3人もこの襲撃で命を失った。
拡大する暴力の連鎖
この襲撃は孤立した事件ではない。先週だけでも、ニジェール州ボルグ地域で46人が襲撃により死亡している。最も被害が大きかったコンコソ村では、38人の住民が射殺されるか喉を切られて殺害された。
ナイジェリア北部と西部では、武装犯罪集団と反政府勢力による重複する安全保障上の脅威が続いている。これらの地域では、政府の統治力が弱く、貧困と失業が蔓延し、武装集団の温床となっている。
国際化する対応:米軍の介入開始
事態の深刻化を受け、国際社会の関与が拡大している。ドナルド・トランプ大統領がナイジェリア政府にキリスト教徒の殺害を止められないと批判し、軍事介入を示唆したことを受け、両国は安全保障協力を拡大した。
昨年12月25日、米軍は北部ソコト州で空爆を実施。これはナイジェリア当局との調整の下で行われた初の直接軍事行動だった。今週、ナイジェリア軍は100人の米軍兵士の到着を確認。彼らは現地部隊の訓練、技術支援、情報共有を担当するが、直接的な戦闘には参加しないとされている。
複雑な地政学的構図
米軍の介入は、アフリカにおける大国間の影響力競争という文脈でも理解する必要がある。ロシアや中国がアフリカでの存在感を高める中、米国は戦略的パートナーシップの維持に腐心している。
一方で、外国軍の駐留に対する現地の反発も存在する。近隣のニジェールでは2023年にクーデターが発生し、フランス軍の撤退を要求。マリやブルキナファソでも同様の動きが見られる中、ナイジェリアでの米軍プレゼンス拡大は地域の安定にどのような影響を与えるのだろうか。
根本的課題への対処
軍事的対応だけでは根本的解決にはならない。ナイジェリア北部では、気候変動による干ばつ、人口増加、経済格差が複合的に作用し、若者の過激化を促進している。また、宗教間・民族間の対立も暴力の背景にある。
国際社会からの支援は軍事面だけでなく、教育、雇用創出、ガバナンス強化といった分野でも必要とされている。日本も国際協力機構(JICA)を通じて教育支援や農業開発に取り組んでいるが、より包括的なアプローチが求められている。
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