グーグル発スタートアップ、宇宙通信で1300億円の企業価値
グーグルからスピンアウトしたAalyria、宇宙・地上・海上を結ぶ通信ネットワークで13億ドル評価。SpaceXの独占に対抗する新たな選択肢として注目
13億ドル。グーグルから独立してわずか4年足らずで、宇宙通信スタートアップAalyriaが獲得した企業価値だ。同社は宇宙、陸上、海上を跨ぐ高速通信ネットワークの構築を目指し、1億ドルの資金調達を完了した。
SpaceXの独占に挑む新たな選択肢
Aalyriaの躍進は、SpaceXのStarlinkが政府契約を独占する中で起きている。特に、ロシアのウクライナ侵攻初期にSpaceXがクリミア上空でのStarlinkサービスを停止した事件は、米国と欧州諸国に「選択肢の多様化」の必要性を痛感させた。
Battery Venturesのマイケル・ブラウン氏は「彼らはStarlinkを愛しているが、代替手段も欲しがっている」と説明する。自然災害で地上の携帯基地局が破壊された際、AalyriaのSpacetimeソフトウェアは数日ではなく数秒で衛星通信ネットワークを被災地に移動させることができる。
日本の宇宙産業への示唆
Aalyriaの技術は、日本の宇宙産業にとって重要な意味を持つ。同社は既にNASA、米空軍、欧州宇宙機関などから契約や研究資金を獲得している。日本のJAXAや防衛省も、災害対応や安全保障の観点から、こうした多様な通信ネットワークに注目している可能性がある。
同社のTightbeamシステムは、船舶や航空機に取り付けることで、100キロメートル以上の距離で光ファイバー並みの通信速度を実現する。これは、海に囲まれた日本の地理的特性を考えると、海上自衛隊や海上保安庁、さらには離島との通信において革新的な解決策となり得る。
グーグルの戦略的判断
興味深いのは、GoogleがAalyriaをスピンアウトした後も株式を保有し続けていることだ。2021年にProject Loon(高高度気球によるインターネット配信プロジェクト)を終了したGoogleは、その技術を商業化する機会をAalyriaの創設チームに委ねた。
Aalyriaの創設者兼CTO、ブライアン・バリット氏は「ネットワークを一から構築したがる企業が多い中で、信頼を得るのに時間がかかる」と認める。しかし、「ネットワーク同士を連携させ、未使用容量を収益化できる利点を理解してもらえれば、形勢は逆転する」と自信を見せる。
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