世界のクリスマス料理 2025：七面鳥からケンタッキーまで、国境を越える食卓の多様性

クリスマスといえば、あなたは何を思い浮かべますか？多くの人が豪華な七面鳥やハムを想像するかもしれませんが、実は世界各地の食卓は驚くほど多様です。Bored Pandaがまとめたレポートによると、伝統的なメニューは地域によって全く異なる表情を見せています。例えばイタリアでは、クリスマスイブに「7種の魚の宴」としてシーフードが主役となり、一方の日本ではKFCのフライドチキンを家族で囲むのが定番の光景となっています。

世界のクリスマス料理 2025：歴史が生んだ「魚」の伝統

中世ヨーロッパでは、宗教的な理由からクリスマスの前に肉を控える「断食」の習慣がありました。Food Unfoldedの分析によると、この時期に肉の代わりに許されていた「魚」を食べる文化が、現在のポーランドやドイツの一部で「鯉（コイ）」をメインにする伝統として定着したといいます。かつては、新鮮な鯉を調理の数日前まで自宅のバスタブで泳がせておく家庭も珍しくありませんでした。また、鯉の鱗を財布に入れておくと金運が上がると信じられていた地域もあり、食文化が生活の知恵や願いと深く結びついていたことが分かります。

七面鳥がクリスマスの「主役」になった経緯

今やアメリカやイギリスで定番の七面鳥ですが、その歴史は意外にも1500年代にまで遡ります。もともと七面鳥は希少で高価な食材でしたが、徐々に供給が安定し、ガチョウや鶏に代わる手頃な選択肢となったことで、数世紀をかけてクリスマスの王道となりました。現在アメリカでは、感謝祭も含めると年間で約2億7000万羽の七面鳥が消費されていると推定されています。