FCC委員長、放送局に「愛国番組」放送を要請
トランプ政権下でFCC委員長が放送局に愛国的番組の放送を求める「プレッジ・アメリカ・キャンペーン」を開始。メディア規制の新たな局面を迎える
連邦通信委員会(FCC)のブレンダン・カー委員長が、全米の放送局に対して「愛国的」な番組の放送を求める異例の要請を行った。これは、トランプ大統領の「アメリカ建国250周年記念プロジェクト」の一環として開始された「プレッジ・アメリカ・キャンペーン」の中核をなすものだ。
「愛国番組」の具体的内容
カー委員長は放送局に対し、「愛国的で親アメリカ的な番組」の放送を求めている。具体的には、毎日の放送開始時に「星条旗よ永遠なれ」の演奏や忠誠の誓いの放送、アメリカ史に関する教育番組、地域の歴史的名所の紹介、ジョン・フィリップ・スーザやデューク・エリントンといったアメリカの作曲家の音楽放送、そして「今日のアメリカ史」コーナーの設置などが含まれる。
この要請は「非党派的な国家的祝賀」と位置づけられているが、政府機関が放送内容に具体的な指針を示すことは、メディアの独立性という観点から議論を呼んでいる。
放送業界の反応と懸念
放送業界では、この要請に対する反応が分かれている。一部の放送局は愛国的な内容の放送に前向きな姿勢を示す一方で、多くの業界関係者は政府による放送内容への介入に警戒感を示している。
特に注目されるのは、この要請が「任意」とされながらも、FCCという放送免許を管轄する機関のトップからの発言である点だ。放送局にとって、政府機関からの「お願い」を断ることは、実質的に困難な状況を生み出す可能性がある。
日本の放送業界への示唆
日本の放送業界にとって、この動向は他人事ではない。NHKをはじめとする日本の放送局も、政府との関係性について常に議論の対象となっている。アメリカでの今回の動きは、政府とメディアの関係について、日本の放送業界にも新たな視点を提供している。
日本では、放送法による「政治的公平性」の原則があるが、アメリカでの「愛国番組」要請は、この原則の解釈や運用について考える機会ともなっている。
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