ユーロはブロックチェーンで生き残れるか
欧州12銀行がユーロ建てステーブルコイン「Qivalis」を共同設立。ブロックチェーン上でのドル支配に対抗し、欧州の金融主権を守る試みが始まった。日本市場への影響も含め解説。
ブロックチェーン上で、ユーロはほぼ存在しない。
伝統的な金融市場では、ユーロは世界の取引の20〜25%を占める第2の基軸通貨です。ところが、ブロックチェーン上の取引に占めるユーロの割合は、わずか0.2%。この数字が、欧州の銀行家たちに危機感をもたらしています。
12行連合が動いた理由
ING、UniCredit、BBVAを含む欧州主要12銀行が、ユーロ建てステーブルコイン「Qivalis」のコンソーシアムを結成しました。MiCA(欧州暗号資産市場規制)に準拠したこのトークンは、2026年後半のローンチを目指しており、現在オランダ中央銀行からのライセンス取得を待っている状況です。
QivalisのCEO、Jan-Oliver Sell氏はCoinDesk誌にこう語っています。「オンチェーンで深い流動性を持つユーロがなければ、唯一の選択肢は米ドルになる。それは欧州の金融的・デジタル的主権にとって現実の脅威だ」
なぜ今なのか。ステーブルコイン市場の現在の時価総額は約3,140億ドル。Jeffriesの試算によれば、5年以内に8,000億〜1兆1,500億ドルに達する可能性があります。そのほぼすべてが、TetherのUSDTとCircleのUSDCというドル建てトークンで占められています。金融インフラがブロックチェーンへと移行する速度が上がるほど、ユーロの「不在」が構造的な問題になっていくのです。
ECBのデジタルユーロとは何が違うのか
欧州中央銀行(ECB)も独自のデジタルユーロを開発中ですが、早くても2029年以降のリリースとされています。Christine Lagarde総裁は先日、ECBとしての準備は整ったと述べ、あとは欧州議会と欧州理事会の政治的判断次第だと語りました。
QivalisはこのECBのデジタルユーロとは根本的に異なります。ECBのデジタルユーロは中央集権的インフラを前提とした「公的な決済手段」であるのに対し、Qivalisは民間のMiCA規制ステーブルコインとして、パブリックブロックチェーン上での即時決済や国際送金、DeFiプラットフォームへの統合を目指します。Sell氏はこれを「競合ではなく補完」と表現し、「中央銀行マネーとオンチェーン活動の橋渡し役」と位置づけています。
日本市場はこの動きをどう見るか
欧州の問題に見えるこの話題は、実は日本にとっても無関係ではありません。
まず、円の立場です。ユーロがブロックチェーン上で存在感を高めようとする中、円のオンチェーンプレゼンスも同様に希薄です。三菱UFJや三井住友などのメガバンクは独自のデジタル通貨実験を進めていますが、グローバルなパブリックブロックチェーン上での円建てステーブルコインは、まだ黎明期にあります。欧州の動きが成功すれば、「日本版Qivalis」を求める声が国内でも高まる可能性があります。
次に、日本の機関投資家や輸出企業の視点です。ドル建てステーブルコインを使ったオンチェーン決済が標準になれば、円やユーロを使う企業は常に為替リスクを抱えることになります。Sell氏が指摘するように「ドルで利回りを得ても、為替変動がリターンを打ち消す」という問題は、日本企業にも直接当てはまります。
さらに、規制の観点からも注目です。日本は2023年に世界に先駆けてステーブルコイン規制を整備しましたが、MiCAのような包括的な枠組みとは異なります。欧州がQivalisを通じて規制されたユーロステーブルコインの国際標準を作り始めれば、日本の金融庁も対応を迫られるかもしれません。
本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。
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