キプロス危機:英軍基地への攻撃で浮上する「巻き込まれリスク」
英軍基地へのドローン攻撃を受け、欧州各国がキプロスに軍事支援を急派。中東紛争の拡大が欧州を巻き込む新たな局面に
地中海の小島が、突如として中東紛争の最前線に立たされた。キプロスの英軍基地RAFアクロティリが週末にドローン攻撃を受けたことで、欧州各国が慌てて軍事支援に乗り出している。
攻撃の詳細と各国の対応
日曜夜、RAFアクロティリ基地にドローンが着弾し、軽微な損害を与えた。その後月曜日にも2機のドローンが迎撃されている。被害は最小限だったが、この攻撃は欧州に衝撃を与えた。
英国は直ちに対ドローン能力を持つヘリコプターと、45型駆逐艦HMSドラゴンの派遣を発表。フランスのマクロン大統領も火曜夜にフリゲート艦ラングドックをキプロスに派遣すると明言した。
ギリシャの対応はさらに迅速で、4機のF-16戦闘機と2隻のフリゲート艦を派遣。特にケンタウロスと呼ばれるギリシャ製対ドローンシステムを搭載したプサラの派遣は注目される。
「巻き込まれ」への恐怖
各国がこれほど迅速に対応する理由は明確だ。これ以上の攻撃や犠牲者が出れば、英国やEUが「望まない紛争」に引きずり込まれる可能性があるからだ。
元軍事戦略家のマイキー・ケイ氏は、英国が派遣する45型駆逐艦について「多層防空システム構築のため」と説明する。しかし同時に「シャヘド136のような大群ドローンに対し、コスト効率の面でどれほど有効か」という疑問も提起している。
実際、火曜夜には英空軍のF-35戦闘機がヨルダン上空でイランのドローンを撃墜している。英国は米・イスラエルによるイラン攻撃には参加していないものの、「防衛作戦」として中東での軍事活動を継続している。
キプロスの複雑な立場
キプロス政府は、英国の対応について「英軍基地が人道目的以外には使用されない」という点での「当初の不明確さ」を批判している。同国は中東紛争への関与を否定し、自国が標的ではないと強調している。
しかし地理的現実は厳しい。トルコ、シリア、レバノンの沖合に位置するキプロスは、EU27カ国の中で最も東に位置する国だ。英軍基地は植民地時代の遺産で、1960年の独立時に英国が主権を保持した。これらの基地は島の3%未満、98平方マイルを占めている。
歴史的教訓と現在
RAFアクロティリが最後に攻撃されたのは1986年、親リビア武装勢力による攻撃で3人が負傷した。それから40年近くが経過した今、基地は再び攻撃の標的となった。
今回の攻撃について、英国政府はドローンの出所を明言していないが、キプロス政府はレバノンのヒズボラが関与していると疑っている。興味深いことに、最初のドローンはキア・スターマー首相が米国の「限定的」「防衛的」イラン攻撃への英軍基地使用を承認する前に発射されたとされている。
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