欧州12行の「ユーロ版USDC」は暗号資産の地政学を変えるか
EU主要銀行12行がユーロ連動ステーブルコイン「Qivalis」開発。米ドル支配の暗号資産市場に欧州が挑戦状。日本の金融機関への影響は?
暗号資産の世界で、1,800億ドル規模のステーブルコイン市場の90%以上を米ドル連動トークンが占める現状を、欧州の銀行が変えようとしている。
BBVA、ING、ユニクレディトなど欧州連合(EU)主要銀行12行が結成したQivalisが、今年後半にユーロ連動ステーブルコインの提供開始を目指している。スペインの経済紙シンコ・ディアスが3月2日報じたところによると、同コンソーシアムは暗号資産取引所、マーケットメーカー、流動性プロバイダーとの協議を進めており、ローンチ初日から規制された取引プラットフォームでの上場と十分な流動性確保を目指している。
米ドル支配への挑戦状
現在のステーブルコイン市場はUSDCやTetherといった米ドル連動トークンが圧倒的シェアを握る。これに対しQivalisは「欧州の戦略的自立性」を掲げ、EU域内の企業や消費者がユーロでブロックチェーン決済を行える環境整備を狙う。
注目すべきは、その裏付け資産の構造だ。トークンは1:1でユーロと連動し、準備金の最低40%を銀行預金、残りを高格付けのユーロ圏短期国債で保有する。複数の高格付け金融機関に分散保管し、24時間365日の償還を可能にする設計だ。
オランダ中央銀行からEUの暗号資産市場規制(MiCA)フレームワークに基づく認可取得を目指している。
日本への波及効果
欧州発のこの動きは、日本の金融機関にとって重要な示唆を含む。日本では三菱UFJ銀行が2020年に独自デジタル通貨「MUFGコイン」の実証実験を行い、みずほ銀行も「Jコイン」構想を推進してきた。しかし、いずれも国際的な展開には至っていない。
Qivalisの取り組みは、中央銀行デジタル通貨(CBDC)とは異なる民間主導のアプローチだが、複数の大手銀行が連携する点で注目される。日本の金融機関も、単独ではなく業界横断的な連携による「円連動ステーブルコイン」の可能性を検討する契機となるかもしれない。
規制という武器
EUがMiCA規制を武器に暗号資産市場での存在感を高めようとする戦略は、規制先進国である日本にとって参考になる。米国ではTetherの透明性に対する懸念が根強く残る中、厳格な規制に基づく「クリーンな」ステーブルコインは競争優位となる可能性がある。
QivalisCEO のヤン・セル氏は「規制されたプラットフォームでの取引を重視する」と述べており、コンプライアンス重視の姿勢を鮮明にしている。
本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。
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