民主主義復活の「三重ジレンマ」:ポーランドが示す困難な道のり
権威主義政権後の民主主義復活は想像以上に困難。ポーランドの事例から見る「合法性・迅速性・効果性」の三重ジレンマとは。
選挙で選ばれた権威主義政権にも終わりが来る。2023年、ポーランドの法と正義党がまさにそうだった。しかし、民主主義を「元に戻す」ことは、壊すことよりもはるかに困難だということが明らかになりつつある。
権威主義の「後遺症」
法と正義党は2015年に政権を握ると、典型的な権威主義の手法を使った。憲法裁判所を支持者で固め、独立していた公共メディアを政府の宣伝機関に変え、野党の政治参加を阻害する委員会を設置した。
2023年の選挙で有権者は変化を選択した。法と正義党は最多得票を獲得したものの、連立政権を組むには至らず、ドナルド・トゥスク首相率いる自由主義的な政党連合が政権を握った。
しかし、ここからが本当の試練の始まりだった。有権者は迅速な民主主義の復活を期待したが、前政権の「作品」を合法的に覆すことは極めて困難だったのだ。
「非自由主義の三重ジレンマ」
ワルシャワのSWPS大学の政治学者ベン・スタンレー氏は、この問題を「三重ジレンマ」と呼ぶ。新政権は合法的に、迅速に、効果的に改革を進めることを求められるが、この3つを同時に達成することはほぼ不可能だという。
司法制度の改革が典型例だ。法と正義党は裁判官任命機関である国家司法評議会を政治化し、議会が裁判官の選任と処分により大きな影響力を持つようにした。現政権はこれを改革したいが、大統領の拒否権により合法的な改革は阻まれている。
迅速かつ効果的に改革するには大統領の拒否権を無視する必要があるが、それは合法性を犠牲にすることになる。合法的かつ効果的に行うには、時間がかかりすぎる。
メディア改革の複雑さ
公共メディアの改革も同様の問題に直面している。法と正義党は2015年の政権獲得直後、公共メディアの理事会を一掃し、政府に批判的なジャーナリストを排除した。8年間で公共メディアは政府の「粗雑な宣伝機関」と化した。
現政権も就任直後に公共メディアの理事会メンバーを交代させたが、その手法の合法性には疑問符が付いている。民主主義を復活させるために、民主主義の原則を曲げなければならないという皮肉な状況だ。
日本への教訓
日本は長期間にわたって政治的安定を享受してきたが、世界的な民主主義の後退を目の当たりにしている今、ポーランドの経験は重要な示唆を与える。
スタンレー氏は「一度規範が破られると、それを元に戻すことは非常に困難」だと指摘する。日本でも、これまで「やらないもの」「言わないもの」とされてきた政治的規範が徐々に変化している可能性がある。
特に注目すべきは、規範の変化が「両サイド」に影響することだ。権威主義的な手法を使った政権の後に来る政権も、同様の誘惑に駆られる可能性がある。国民が「受け入れるもの」の基準が変わってしまうからだ。
本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。
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