韓国の核潜水艦計画、米国が「モデル同盟国」として支援へ
韓国が核潜水艦建造と戦時作戦統制権返還を推進。ペンタゴンの新戦略では韓国の「主要責任」を明記。日本の安保環境にも影響か。
朝鮮半島の海底で、新たな力の均衡が形作られようとしている。韓国が核動力潜水艦の建造計画を本格化させ、米国がこれを「同盟の新たなランドマーク」として支援することで合意した。
「モデル同盟国」への転換点
1月26日、安圭伯国防部長官とエルブリッジ・コルビー米国防次官(政策担当)がソウルで会談し、韓国の核潜水艦建造計画について協議した。コルビー次官は韓国を「米国のモデル同盟国」と称し、防衛協力の継続的強化を約束した。
両者は核潜水艦協力が「朝鮮半島防衛能力の向上」と「同盟関係のより高次元への引き上げ」に寄与するとの認識で一致した。これは昨年の首脳会談で発表された共同ファクトシートの具体化でもある。
注目すべきは、先週発表されたペンタゴンの新国家防衛戦略だ。この文書では韓国が北朝鮮に対する「主要な」責任を担い、米国は「重要だがより限定的な」支援を提供するとされている。従来の米軍主導から韓国主導への転換を示唆する内容だ。
戦時作戦統制権の返還加速
安国防部長官は会談で、戦時作戦統制権(OPCON)の韓国への返還の重要性も強調した。現在、朝鮮半島有事の際の作戦指揮権は米軍が握っているが、韓国は「韓国主導の朝鮮半島防衛」実現のため、この権限の返還を求めている。
OPCON移管は1990年代から議論されてきた懸案だが、北朝鮮の核・ミサイル脅威の高まりや韓国軍の能力向上を背景に、ついに現実味を帯びてきた。
コルビー次官はその後、魏聖洛国家安保室長とも会談し、二国間同盟の懸案事項を協議。平沢のキャンプ・ハンフリーズも視察し、在韓米軍司令官との間で「統合抑止」について議論を深めた。
日本への波及効果
韓国の核潜水艦保有は、東アジアの軍事バランスに大きな変化をもたらす。日本にとっても無関係ではない。
核潜水艦は通常の潜水艦と比べ、航続距離と潜航時間が格段に長く、より広範囲での作戦展開が可能だ。韓国海軍の作戦範囲拡大は、日本海や東シナ海での存在感増大を意味する。
一方で、北朝鮮の脅威に対する抑止力強化は、日本の安全保障環境にもプラスに働く可能性がある。AUKUS(豪英米)に続く核潜水艦技術の拡散は、中国の海洋進出に対するカウンターバランスとしての意味も持つ。
日本政府は公式にはコメントを控えているが、防衛省関係者の間では韓国の動向を注視する声が強まっている。日本自身も「反撃能力」の保有を決定しており、東アジアの軍事技術競争は新たな段階に入りつつある。
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