仮想通貨業界、ステーブルコイン報酬を諦めて大きな果実を取るか
米上院のClarity Act成立を巡り、仮想通貨業界と銀行業界が対立。ステーブルコイン報酬が争点となり、業界は重要な選択を迫られている。
70%。これは予測市場Polymarketでの「Clarity Act」今年成立確率です。しかし、この数字の裏で仮想通貨業界は究極の選択を迫られています。
対立の構図:ステーブルコイン報酬を巡る攻防
米上院で審議中のDigital Asset Market Clarity Actは、仮想通貨業界にとって最優先の政策目標です。しかし、一つの争点が法案成立を阻んでいます。それがステーブルコイン報酬プログラムです。
Coinbaseなどの仮想通貨企業は、顧客がステーブルコインを保有・利用する際にインセンティブを提供したいと考えています。一方、ウォール街の銀行ロビイストたちは「ステーブルコインでの利回りは銀行預金の利息と同様で、前者が後者を殺せば預金事業の死は銀行融資の窒息を意味する」と主張しています。
この銀行側の論理は、両党の十分な数の議員に浸透し、上院の法案審議を停止させました。
GENIUS法の想定外の解釈
仮想通貨業界はこれまで、既に成立したGENIUS Act(米国ステーブルコイン国家革新指導確立法)が第三者プラットフォームでの報酬プログラムを認めていると確信していました。
しかし、通貨監督庁(OCC)が提案した新規則は、そうした関係が法の意図に反する可能性があると結論づけました。これにより、仮想通貨業界の自信は少し揺らいでいます。
最近のホワイトハウスでの交渉では、トランプ大統領の仮想通貨アドバイザーたちは妥協案を支持しているようでした。単純な保有ではなく、実際の取引や仮想通貨インフラ支援に対する報酬なら認めるというものです。
時間との戦い:中間選挙年の制約
問題は時間です。2026年は中間選挙年で、議員たちは7月末以降はほとんど上院で活動しません。選挙戦が近づくにつれ、党派を超えた法案成立の可能性は低下します。
仮想通貨業界は、単純保有に対する報酬を放棄する準備があるようですが、銀行側は「事実上すべてのカテゴリーの報酬を禁止する」という立場から動いていません。
CoinbaseのCEOブライアン・アームストロング氏は「三方よしの結果に到達する」と楽観視し、RippleのCEOブライアン・ガーリングハウス氏は成立確率を80%と予測していますが、現実は厳しさを増しています。
日本への示唆:規制調和の重要性
日本の金融業界にとって、この米国の動きは重要な示唆を含んでいます。日本でも三菱UFJやみずほなどの大手銀行がデジタル資産事業を展開する中、ステーブルコインと既存の金融サービスとの境界線をどう引くかは切実な問題です。
米国の議論は、イノベーションと金融安定性のバランスをどう取るかという普遍的な課題を浮き彫りにしています。日本の規制当局も、米国の結論を注視しながら、独自の道筋を模索する必要があるでしょう。
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