トランプ政権のイラン戦争、議会で激しい質疑応答
米議会でトランプ政権のイラン攻撃に対する批判が高まる中、戦争権限決議案の採決が迫る。日本の中東外交への影響も懸念される。
6人の米軍兵士が既に命を落とし、戦費は数十億ドルに膨らむ見込み。トランプ政権のイラン攻撃開始から1週間、米議会では「なぜ今なのか」「出口戦略は何か」という厳しい質問が飛び交っている。
ルビオ国務長官の説明に矛盾
マルコ・ルビオ国務長官は3月2日、議会記者団に対して「大統領は先制攻撃を受けないと決断した。それだけのことだ」と述べた。しかし前日には「イスラエルが先に行動する準備ができていたため、トランプ大統領が決断した」と説明していた。
この説明の変遷について、アンガス・キング上院議員(無所属・メイン州)は「ベンヤミン・ネタニヤフ首相がイランを爆撃したがったから米国が戦争に入ったというのは非常に憂慮すべきことだ」と批判。歴代の米大統領は「一貫して『ノー』と言ってきた」と指摘した。
一方、トランプ大統領自身は「私がイスラエルの手を強制したかもしれない」と述べ、ルビオ長官の説明を否定している。
戦争権限決議案への圧力
議会では両党から戦争権限決議案への支持が高まっている。この決議案が可決されれば、トランプ大統領の軍事行動継続能力が制限される。
エリザベス・ウォーレン上院議員(民主・マサチューセッツ州)は、これがトランプ氏の「アメリカ・ファースト」公約とどう整合するのかと追及。ハキーム・ジェフリーズ下院民主党院内総務も「なぜ数十億ドルをかけてイランを爆撃するのか」と疑問を呈している。
共和党のマイク・ジョンソン下院議長は「米国が既に戦闘状態にある時に大統領の手足を縛るのは恐ろしいことだ」と反対姿勢を示している。
ハメネイ師死亡後の権力空白
数十年間イランを統治してきたアリ・ハメネイ最高指導者の死亡により、同国では指導者不在の状況が続いている。トランプ大統領は「我々が念頭に置いていた人物の多くは死んでいる」と認め、イラン最後の皇帝の亡命皇太子レザ・パフラヴィー氏の擁立案も否定した。
トム・コットン上院情報委員長(共和・アーカンソー州)は、1月のベネズエラ攻撃でマドゥロ大統領失脚後に副大統領が昇格した例を挙げ、「イラン内部にも『イランのデルシー・ロドリゲス』役を演じたい指導者がいるかもしれない」と述べている。
日本外交への波及効果
今回の米イラン戦争は、中東で独自の外交ルートを築いてきた日本にも影響を与える可能性がある。日本は2019年にも米イラン間の仲介役を試み、安倍元首相(当時)がハメネイ師と直接会談した経緯がある。
中東の石油供給ルートの不安定化は、エネルギー輸入に依存する日本経済にとって深刻な懸念材料だ。また、自衛隊の中東派遣継続についても、新たな検討が必要となるだろう。
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