米国防戦略 2026:中国が最優先から後退、本土防衛重視へ
米国防総省が発表した2026年版国家国防戦略(NDS)では、中国が最優先事項から外れ、米国本土防衛が第一とされました。トランプ政権のリアリズムが色濃く反映され、同盟国への支援限定や負担増が明記されています。今後の国際秩序の変化に注目が集まります。
米国国防総省(ペンタゴン)は、2026年1月23日、新たな国家国防戦略(NDS)を発表しました。今回の戦略における最大の転換点は、これまで最優先事項とされてきた中国が首位から外れ、代わって米国本土および西半球の安全保障が第一の懸念事項に据えられたことです。ロイター通信によると、米国は長年、国民の具体的な利益を軽視してきたと指摘し、今後は同盟国への支援を「より限定的」なものにする方針を明らかにしました。
米国防戦略 2026 におけるリアリズムへの回帰
34ページに及ぶこの文書は、再登板したトランプ政権の初年度の政策を色濃く反映しています。戦略の中では、冷戦後の歴代政権が掲げてきた「空想的な理想主義」を捨て、「冷静なリアリズム(現実主義)」を採用すると明記されました。具体的には、パナマ運河、メキシコ湾、そしてグリーンランドといった重要拠点への軍事的・商業的なアクセスを確保することを強調しています。
中国との関係については、「対立ではなく力によるアプローチ」を目指すとされています。興味深いことに、今回の文書では過去の戦略で必ず言及されていた台湾に関する記述が消えました。ただし、中国を含むいかなる勢力による支配も阻止する方針に変わりはないとしています。米国は昨年、台湾に対して110億ドル規模の武器売却を発表しており、これに対して中国が大規模な軍事演習で応じるなど、緊張状態は続いています。
同盟国への「負担分担」要求とロシアの評価
新しい戦略は、同盟国に対してさらなる「負担分担」を求めています。米国はこれまで同盟国の防衛費を補助してきたと主張し、今後は特に欧州諸国が、自国にとって深刻な脅威に対して主導的な役割を果たすべきだとしています。ロシアについては、NATO東部諸国にとっての脅威ではあるものの、「管理可能な脅威」であると記述されました。
また、北朝鮮に対する抑止についても米国の役割を限定し、韓国が主要な責任を担う能力があると言及しています。これに対し、カナダのマーク・カーニー前中銀総裁はダボス会議で、「旧来の世界秩序は戻ってこない」と述べ、韓国、カナダ、オーストラリアといったミドルパワー(中堅国家)が結集する必要性を訴えました。
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