ブロードコム、2027年AI売上「1000億ドル超」予想の裏側
ブロードコムCEOが2027年AI売上1000億ドル超を予想。カスタムチップ需要急増の背景と日本企業への影響を分析。
1000億ドル。ブロードコムのホック・タンCEOが掲げたこの数字は、2027年のAI関連売上予想として、ウォール街の楽観的な予測をも大きく上回るものだった。
急成長の背景:カスタムチップ時代の到来
ブロードコムの株価は発表翌日に約5%上昇した。同社の第4四半期決算では、AI関連売上が前年比で倍増し、市場予想を上回る結果となった。
タンCEOは「6つの顧客で合計10ギガワットの容量に近づいている」と説明。JPモルガンのアナリストは、2027年までに1ギガワットあたり120億~150億ドルの売上が見込めると試算し、同社のAI売上予想を「控えめに見積もって1200億ドル以上」に引き上げた。
この成長の核心にあるのは、カスタムシリコンチップへの需要急増だ。Amazon、Google、Metaといった巨大テック企業が、NVIDIAの汎用チップに依存せず、自社の用途に最適化されたチップを求めている。
日本企業への波及効果
ブロードコムの好調は、日本の関連企業にも影響を与えている。同社の銅配線接続技術への需要増加により、アンフェノールの株価は10%上昇。一方、光技術を手がける企業の株価は4%以上下落した。
日本の半導体関連企業にとって、この動向は複雑な意味を持つ。ソニーのイメージセンサーや村田製作所の電子部品など、AI向けの需要増加が期待される一方、光技術分野では競争激化が予想される。
メモリー不足への対応策
AIブームに伴い、高帯域幅メモリーの供給不足が業界全体の課題となっている。しかし、タンCEOは「2028年まで、メモリーと最先端ウェハーの供給を確保済み」と明言した。
ゴールドマン・サックスのアナリストは「AIネットワーキングとカスタムシリコンでのリーダーシップにより、ハイパースケーラー顧客にとって最低の推論コストを実現している」と評価している。
競合との差別化戦略
ハイパースケーラーが自社チップ開発を進める中、ブロードコムが市場から排除される懸念もある。しかし、タンCEOは楽観的だ。
「大規模言語モデル企業は『まあまあのチップ』では満足できない。他のLLM企業と競争し、何よりNVIDIAと競争するには、最高のチップが必要だ」と語った。
関連記事
欧州の新たな半導体法案が、チップメーカーに既存契約の破棄を強制する可能性を示唆。サプライチェーンの安定と企業の契約自由のはざまで、日本企業はどう動くべきか。
AIラリーを背景に外国人投資家が8週連続で日本株を買い越し。円安・半導体・デフレ脱却が重なるこの局面で、日本市場に何が起きているのかを多角的に読み解きます。
SKハイニックスが時価総額1兆ドルを突破。サムスン電子に続き韓国勢2社が同時に1兆ドルクラブ入り。AI半導体需要がコスピ指数を牽引する構造的変化と、日本市場への影響を読み解く。
6月8日開幕のWWDC 2026を前に、AppleとGoogleの提携によるSiri刷新への期待が高まる。株価は8週連続で上昇し最高値圏に。AI戦略の転換が投資家と利用者に何をもたらすか。
意見
この記事についてあなたの考えを共有してください
ログインして会話に参加