トランプ氏のカナダ製航空機制裁威嚇、世界の航空業界に衝撃波
トランプ大統領がカナダ製航空機への50%関税と認証取消を威嚇。ボンバルディア株価急落、米航空会社への影響必至。日本の航空業界への波及効果は?
5,425機。これは現在アメリカで運航されているカナダ製航空機の総数だ。トランプ大統領の一つのSNS投稿が、これらすべての運命を左右する可能性が出てきた。
突然の威嚇投稿が市場を震撼
ドナルド・トランプ米大統領は1月30日、Truth Socialで爆弾発言を行った。カナダがアメリカのライバル企業ガルフストリームの最新機種を認証するまで、ボンバルディアの大型キャビン機を含む「カナダ製のすべての航空機」の認証を取り消し、新規輸入機に50%の関税を課すと威嚇したのだ。
この発言を受け、カナダの航空機メーカーボンバルディアの株価は金曜日の朝、9%急落した。市場は混乱し、航空会社や航空業界アナリストの間で警戒感が広がっている。
アメリカ航空業界への「自爆攻撃」
トランプ氏の威嚇が実行されれば、最も大きな打撃を受けるのは皮肉にもアメリカ自身かもしれない。アメリカン航空やデルタ航空などの大手航空会社は、地方路線の多くでカナダ製航空機に依存している。
現在アメリカにはグローバル・エクスプレス機だけで150機が登録されており、115の運航会社が使用している。これらの機体が突然運航できなくなれば、地方の航空サービスに深刻な影響が出る可能性がある。
ボンバルディアは声明で、同社がアメリカ国内の9つの主要施設で3,000人以上を雇用し、2,800の供給業者を通じて数千の雇用を創出していると強調した。「カナダで製造された数千機の民間・商用機が毎日アメリカの空を飛んでいる」として、早期解決への期待を表明している。
貿易ルールの終焉を巡る深い溝
この対立の背景には、より深刻な構造的問題がある。カナダのマーク・カーニー首相は先週、アメリカの貿易政策を批判し、ワシントンがかつて推進した「ルールに基づく国際秩序の終焉」を受け入れるよう各国に促していた。
航空機や航空宇宙部品は、これまでトランプ氏主導の貿易戦争の矢面に立たされることは少なく、USMCA貿易協定の下でカナダ製航空機は順調にアメリカに輸出されてきた。今回の威嚇は、その「聖域」が崩れる可能性を示唆している。
日本への波及効果は不可避
日本の航空業界にとっても、この動きは他人事ではない。全日空や日本航空は国際路線でカナダ製航空機を使用しており、部品供給チェーンでも密接な関係がある。また、三菱重工業などの日本企業も航空宇宙分野でカナダ企業との協力関係を築いている。
さらに懸念されるのは、この「認証取消」という手法が他国にも適用される可能性だ。日本が開発を進める次世代航空機や、既存の日本製部品への影響も予想される。
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