ビットコイン採掘業界の「降伏」が示す次なる上昇サイン
米国の極端な気象がビットコインハッシュレートを20%急落させ、歴史的に強気相場の前兆とされるハッシュリボン指標が点灯。採掘業界の苦境が価格回復の兆しとなるか。
20%。これは週末の米国の嵐がビットコインネットワークから奪い去ったハッシュレート(計算能力)の割合だ。しかし、暗号通貨の世界では、この数字が実は希望の兆しかもしれない。
嵐が呼び起こした「採掘業者の降伏」
米国を襲った極端な気象条件により、ビットコイン採掘業者たちは収益性の悪化に直面し、次々と機器の電源を切った。ハッシュレートは約1.2ゼタハッシュ/秒から950エクサハッシュ/秒へと急落。これは2021年7月の中国による採掘禁止以来、最大級の下落となる見込みだ。
採掘難易度の調整は約17%の低下が予測され、ネットワークの安定性を保つための自動調整機能が働く。しかし、この一見ネガティブな現象が、実は投資家にとって重要なシグナルを発している。
ハッシュリボンが語る歴史の教訓
Glassnodeのデータによると、ハッシュリボン指標が「降伏」状態に入った。この指標は30日移動平均が60日移動平均を下回ったときに点灯し、採掘業者が苦境に陥っていることを示す。
歴史を振り返ると、この指標は驚くほど正確な予測力を持っていた。2022年のFTX破綻時、ビットコインは約1万5000ドルで底を打ち、ハッシュリボンの正常化とともに2万2000ドルまで回復した。2024年中頃の円キャリートレード巻き戻し時には、4万9000ドルの底値から翌年1月には10万ドルまで急騰している。
現在のビットコイン価格は約8万8000ドル。前回の降伏状態は昨年11月で、その時の底値8万ドルから既に回復基調にある。
日本の投資家が注目すべきポイント
日本の暗号通貨投資家にとって、この状況は複数の意味を持つ。まず、円建てでのビットコイン価格変動は為替レートの影響も受けるため、ドル建ての回復が必ずしも円建ての利益を意味しない。
一方で、日本の電力コストは米国より高く、国内の採掘業者への直接的な影響は限定的だ。むしろ、グローバルなハッシュレート低下により、相対的に日本の採掘業者の競争力が一時的に向上する可能性もある。
SBIホールディングスやGMOインターネットなど、暗号通貨事業を展開する日本企業の株価にも注目が集まるだろう。これらの企業は採掘事業だけでなく、取引所運営も手がけており、ビットコイン価格の回復は多面的な恩恵をもたらす可能性がある。
次の局面への移行点
重要なのは、ハッシュリボンの色が濃い赤から白に変わるタイミングだ。これは30日移動平均が60日移動平均を上回り、同時に価格モメンタムがマイナスからプラスに転じることを示す。歴史的に、この転換点は長期的な買い機会と一致してきた。
現在の状況では、次の難易度調整後にハッシュレートが安定し始めれば、このサイクルが再び始まる可能性が高い。採掘業者の「降伏」は終わりではなく、新たな成長サイクルの始まりを告げる鐘なのかもしれない。
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