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金が落ちる、ビットコインが踏ん張る
経済AI分析

金が落ちる、ビットコインが踏ん張る

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JPモルガンの最新レポートが示す異変——金・銀ETFから110億ドルが流出する一方、ビットコインは純流入を維持。流動性の逆転が問いかける「安全資産」の定義とは。

1オンス4,450ドル——今年1月に5,500ドル近くの史上最高値を記録した金は、わずか2か月足らずで約15%下落した。「有事の金」という格言が揺らいでいる。

同じ期間、ビットコインも一時6万ドル台前半まで急落した。だが価格はその後持ち直し、6万9,000〜7万ドル前後で推移している。イランでの戦争勃発、原油価格の1バレル100ドル超えという地政学的混乱の中で、なぜ暗号資産が貴金属よりも「踏ん張って」いるのか。

JPモルガンのアナリスト、ニコラオス・パニギルツォグルー氏率いるチームが3月26日に発表したレポートが、その構造的な背景を分析している。

「逃避資産」の序列が変わった

レポートの核心は一つの数字に凝縮される。3月の最初の3週間で、金ETFから約110億ドルが流出した。昨夏以降積み上がっていた銀ETFへの流入も、ほぼ全額が巻き戻された。対照的に、ビットコインの現物ETFは同期間も純流入を維持した。

JPモルガンが指摘する最も注目すべき変化は「流動性の逆転」だ。通常、金市場はビットコイン市場よりはるかに厚い流動性を誇る。ところが現在、金のマーケット・ブレドス(市場の厚み)はビットコインを下回る水準まで悪化しているという。銀に至っては、薄い流動性が価格下落をさらに増幅させている。

なぜこうなったのか。背景には三つの力が重なっている。第一に、金利の上昇。利回りを生まない金の保有コストが高まる。第二に、ドル高。ドル建て資産である金の割高感が増す。第三に、利益確定売り。2025年後半から2026年初頭にかけて大きく積み上がった機関投資家のロングポジションが、一斉に解消された。

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の先物データを使ったJPモルガンの機関投資家ポジション推計によれば、金・銀への建玉は2025年末に向けて急増した後、1月以降は急減している。一方のビットコイン先物は、比較的安定した水準を維持している。

トレンドフォロー型の投資家(CTA:商品投資顧問)の動向も同じ方向を向く。金・銀のモメンタム指標は「買われすぎ」から「中立以下」へと急転換し、下落を加速させた。ビットコインのモメンタムは「売られすぎ」から中立へと回復しつつあり、売り圧力が和らぎつつある段階にある。

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ビットコインは「安全資産」になったのか

ここで立ち止まる必要がある。ビットコインが金より「強い」ことは、ビットコインが「安全資産」になったことを意味しない。

イランでの戦争勃発という最初のショック局面で、ビットコインはリスク資産と同様に急落した。これは金の初期反応(上昇)とは対照的だ。今起きているのは、パニックが収まった後の戻り局面での相対的な底堅さであり、有事における「逃避先」としての機能とは異なる。

JPモルガンのレポートも、ビットコインを「ハイベータのマクロ資産」と位置づけている。つまり、市場全体が動く方向に大きく振れるが、センチメントが安定すると長期保有者の買い支えが入りやすい資産、という解釈だ。

日本の機関投資家にとって、この区別は重要だ。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)をはじめとする公的・私的年金は、ポートフォリオの「安全バッファー」として金への配分を行っている。ビットコインが今回の局面で相対的に良好なパフォーマンスを示したとしても、それがリスク管理上の「代替」になりうるかは全く別の問いだ。

一方、暗号資産を既にポートフォリオに組み込んでいる機関投資家や個人投資家にとっては、今回のデータが一つの材料になる。ビットコインの現物ETFが日本でも徐々に議論の俎上に載りつつある中、「流動性」「機関投資家フロー」「モメンタム」という三つの指標でビットコインが金に対して優位性を示した事実は、資産配分の議論に新たな論点を加える。

金が「売られすぎ」になる可能性

もう一つの視点も忘れてはならない。今回の金の急落は、構造的な需要の崩壊ではなく、過剰に積み上がったポジションの解消が主因だ。

地政学的緊張は続いており、原油価格は高止まりしている。中央銀行による金の購入トレンドも変わっていない。ブラックロックステート・ストリートなどの大手資産運用会社が金ETFへの長期的な配分方針を変えたわけでもない。

バーンスタインがビットコインの「底値」を宣言し、年末目標価格15万ドルを維持したように、強気派のナラティブは健在だ。しかし市場は常に「ナラティブ」ではなく「フロー」で動く。現時点でフローはビットコインに向いているが、それが持続するかどうかは、地政学リスクの展開と米金利の動向次第だ。

本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。

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