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2020年選挙を「再捜査」するトランプ政権の真意
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2020年選挙を「再捜査」するトランプ政権の真意

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米国土安全保障省がアリゾナ州の2020年大統領選挙を再調査。FBIも別途捜査を開始。6年前の選挙をいま蒸し返す政治的意図と民主主義への影響を多角的に読み解く。

選挙結果が確定してから6年。それでも捜査は続く。

2025年初頭から、トランプ政権は2020年大統領選挙をめぐる一連の再調査を静かに、しかし着実に進めてきました。その最新の舞台となっているのが、アリゾナ州です。

何が起きているのか:二つの連邦捜査

今年2月中旬、クリスティ・ノエム国土安全保障長官はアリゾナ州スコッツデールで選挙安全保障に関するイベントを開催しました。その約1週間後、国土安全保障省の捜査部門であるHSI(国土安全保障捜査局)のアリゾナ担当代理特別捜査官、マシュー・マーフィー氏が州司法長官事務所に対し、2020年選挙の捜査を開始したことを伝えました。

州側の捜査官が「なぜいまさら」と問うと、マーフィー氏は「ワシントンからの指示だ」と明確に答えたといいます。この情報は、公式に発言する権限を持たないため匿名を条件に取材に応じた関係者が明らかにしたものです。

HSIといえば、本来は国際的な麻薬カルテルや人身売買ネットワークの摘発を主な任務とする機関です。国内選挙の調査は、その本来の職務とはかけ離れています。さらにFBIも別途、アリゾナ州で独自の選挙捜査を進めており、「HSIとの共同捜査ではない」と関係者は語っています。

2月20日以降、マーフィー氏と州当局者の間で交わされたメールが公文書公開請求によって入手されています。そのやり取りの中でマーフィー氏は、州が2023年に公表した選挙調査報告書の内容について追加情報を求め、「本日中に報告書を提出しなければならない」と急かす場面もありました。州側はその後、彼の最終メッセージには返答せず、今後も返答する予定はないと表明しています。

なぜいま、アリゾナなのか

アリゾナ州は、2020年選挙においてバイデン氏がわずか10,457票差でトランプ氏を上回った激戦州です。この僅差が、選挙否定論者たちの格好の標的となってきました。

共和党主導の州上院は過去に、民間の警備会社「サイバー・ニンジャス」を雇って選挙を独自に再審査しました。しかしその結果は、方法論上の問題点を指摘されながらも、バイデン氏の勝利を追認するものでした。それでも、MAGA(トランプ支持)勢力の間では、この審査が「不正の証拠」として繰り返し引用されています。

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さらに共和党の州議会議員マーク・フィンチェム氏は、自身が関与する非営利団体が捜査官に「研究資料を提供してきた」と公言しており、「これは長年にわたる組織犯罪事件だ」とまで述べています。

こうした動きはアリゾナにとどまりません。1月にはジョージア州フルトン郡で連邦当局が投票用紙を押収。プエルトリコでは国家情報長官室(ODNI)が投票機器の調査を開始。全国の連邦検察局でも、投票機械の脆弱性に関する協議が行われています。

「捜査」が民主主義に与える影響

アリゾナ州務長官のエイドリアン・フォンテス氏(民主党)は「陰謀論と神話を追いかけ、不満の政治を永続させているだけだ」と批判しました。州司法長官のクリス・メイズ氏(民主党)も「6年前の選挙を陰謀論と嘘に基づいて調査するのは真剣味のない行為だ」と断言しています。

一方で、現場のHSI捜査官たちの士気については、元捜査官と現役捜査官の双方が「乗り気ではない」と表現しており、組織内部でも温度差があることがうかがえます。

選挙当局者にとって、より深刻なのは実務的な影響です。8か月後に中間選挙を控えるなか、連邦政府による「過去の選挙」の再調査は、選挙管理の現場に不確実性と政治的圧力をもたらします。州および郡の選挙当局者は、今回の捜査について事前に知らされていませんでした。

異なる視点から読み解く

この問題を、複数の立場から見てみましょう。

トランプ政権の支持者の立場からは、「選挙の完全性を確保するための正当な調査」と映るかもしれません。実際、HSIは2020年に16年選挙で不正投票を行った外国人19人を起訴した前例もあります。

一方、選挙の専門家や民主党関係者は、すでに複数の裁判所と独立した調査機関が結論を出した選挙を、行政権力を使って蒸し返すことへの深刻な懸念を示しています。司法の判断を行政が覆そうとすることは、三権分立の観点から問題をはらんでいます。

国際的な視点からも、この動きは注目されています。民主主義の模範とされてきた米国が、自国の選挙結果を政権主導で再調査するという前例は、権威主義的な政府が自国の選挙介入を正当化する口実として利用される可能性があります。

日本にとっても、この問題は対岸の火事ではありません。日米同盟の基盤には、共有された民主主義的価値観があります。米国の民主的制度への信頼が揺らぐことは、同盟の性質そのものに影響を与えかねません。また、政治的不安定が続けば、円相場や米国債市場を通じて日本経済にも波及する可能性があります。

本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。

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