ロンドン進出に待った。Waymoが直面する欧州「規制」の厚い壁

米国で成功を収めた自動運転の旗手が、ついに大西洋を渡りました。しかし、ロンドンの街並みは彼らにとって予想以上に険しいものになりそうです。Alphabet傘下のWaymoが発表したロンドンでのサービス展開計画に対し、英国および欧州の規制当局が慎重な姿勢を崩していません。これは、技術の進歩が法整備のスピードを上回っている現状を浮き彫りにしています。

「走るコンピューター」への厳しい視線

ブルームバーグの報道によると、英国の運輸当局はWaymoのレベル4自動運転技術に対し、米国とは異なる独自の安全基準を求めています。米国では累積走行距離が2,500万マイル（約4,000万キロ）を超え、事故率が人間より85%低いというデータが示されていますが、欧州当局は「ロンドンの複雑な交差点や自転車の多さは別問題だ」と主張しています。

米欧の規制アプローチの決定的な違い

今回の対立の背景には、技術革新に対する基本的な考え方の違いがあります。米国は「走らせながら学ぶ」という柔軟な姿勢をとる一方、欧州は「安全が完全に証明されるまで走らせない」という予防原則を重視しています。