Waymoロボタクシー、停電で麻痺か？緊急ソフトウェアアップデートを配信

街から光が消えた時、未来の乗り物も停止した。先週末、米サンフランシスコで発生した大規模停電で、Waymoのロボタクシーが交差点で立ち往生する事態が発生。同社は12月24日、原因を説明するとともに、この問題に対処するソフトウェアアップデートを配信すると発表した。

「過剰な慎重さ」が生んだ交通渋滞

Waymoの公式ブログ投稿によると、同社の自動運転システムは、信号が消えた交差点を人間と同様に「一時停止の四差路」として認識するよう設計されている。しかし、先週末の停電時、多くの車両が人間の遠隔オペレーターチーム（フリートレスポンスチーム）に対し、自身の判断が正しいかの「確認チェック」を要求したという。この確認要求は、同社が「初期展開における過剰な慎重さから」導入した機能だった。

停電が広範囲に及んだことで、この確認要求が特定の時間帯に集中して殺到。結果として、オペレーターの対応が追いつかず、車両が路上で待機し続けることになり、動画で撮影されたような交通渋滞の一因となった、とWaymoは説明している。一方で同社は、混乱の中でも車両が土曜日に7,000回以上、消灯した信号を無事に通過したことも強調した。

ソフトウェア更新で「より決然とした」判断へ

今回の事態を受け、Waymoは全車両にソフトウェアアップデートを配信する。このアップデートは、自動運転ソフトウェアに「地域的な停電に関する特定のコンテキスト」を追加し、車両がより決然とナビゲートできるようにするものだという。同社は「この戦略は小規模な停電では有効だったが、現在の規模に合わせて改良している」と述べ、緊急時対応プロトコルも今回の教訓を基に見直す方針を示した。

今回の件は、Waymoが現実世界の予期せぬ問題に直面し、ソフトウェアを改良し続けている最新の事例と言える。同社は過去にも、停止したスクールバスを回避できない問題で米高速道路交通安全局（NHTSA）の調査を受け、リコールにつながるソフトウェア更新を実施している。