ドバイ・アブダビ空港で死傷者、イラン報復攻撃で湾岸諸国に飛び火
イランの報復攻撃により、ドバイ・アブダビ空港で死傷者が発生。世界最大級の航空ハブが被害を受け、グローバルな旅行・物流に深刻な影響が拡大している。
土曜日の朝、ドバイ国際空港のターミナル内に響いた爆発音と共に、中東の地政学的危機は新たな段階に入った。年間旅客数世界最多を誇るこの航空ハブで、イランの報復攻撃による破片が職員4人を負傷させ、数千便のフライトが運航停止に追い込まれた。
湾岸諸国を襲った「巻き添え」攻撃
アブダビのザイード国際空港では、迎撃されたドローンの破片により1人が死亡、7人が負傷した。カタール、バーレーン、ヨルダン、クウェートも相次いでミサイル攻撃を受け、各国の防空システムが総動員された。
「家の後ろから約15発のミサイルが発射されるのを見た」と、ドバイ在住のベッキー・ウィリアムズさんはBBCに語った。彼女が目撃したのは、イランからの攻撃を迎撃するUAE当局のミサイルだった。「空中で迎撃が行われる音が聞こえる」。
ドバイの高級人工島パーム・ジュメイラでは、5つ星ホテルフェアモント・ザ・パームで大規模な爆発が発生。BBCが検証した映像では、黒煙が空に立ち上る中、炎が燃え上がっている。また、象徴的な帆船型ホテルブルジュ・アル・アラブの外壁でも、迎撃されたドローンの破片による「軽微な火災」が確認された。
「調停者」も標的に
特に注目すべきは、長年米イラン間の仲介役を務めてきたオマーンのドゥクム商業港も2機のドローン攻撃を受け、作業員1人が負傷したことだ。これまでイランの攻撃を免れてきた調停国さえも、今回の報復の対象となった。
カタール当局は記者会見で、イランが土曜日に65発のミサイルと12機のドローンを発射し、大部分は迎撃されたものの、破片の落下により8人が負傷したと発表した。
日本への波及効果
ドバイ国際空港は、日本と中東・アフリカ・欧州を結ぶ重要な中継地点として、JALやANAも定期便を運航している。今回の攻撃による運航停止は、日本の航空会社の路線網にも直接的な影響を与えている。
また、ジェベル・アリ港(世界第9位の貨物取扱量)での火災は、日本企業の物流網にも懸念を与える。同港はトヨタやソニーなどの日本企業が中東・アフリカ市場への物流拠点として活用しており、サプライチェーンへの影響が注視されている。
「中立」の限界
湾岸諸国は近年、イランとの関係改善に努力を重ねてきた。外交的解決を模索し、米国が自国の基地から攻撃を行うことを拒否してきた。しかし、それでも自国領土への直接的な軍事攻撃を防ぐことはできなかった。
34歳のドバイ在住者は語る。「過去24時間で私たちが経験したことは、紛争地域で生活している人々が経験していることのほんの一部に過ぎない。それを思うと、物事を客観視できる」。
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