偶発的衝突を避けるため、韓国軍が「軍事境界線」の判断基準を更新

リード

韓国軍は、北朝鮮兵士による軍事境界線（MDL）の侵犯が相次ぐ中、偶発的な武力衝突のリスクを低減するため、現場部隊が境界線を判断する際の内部規定を更新したことが明らかになりました。この措置は、最前線での対応に柔軟性を持たせることを目的としています。

韓国軍合同参謀本部は12月22日月曜日、北朝鮮兵士による境界線侵犯への対応として、軍事境界線（MDL）の定義に関する内部規定を更新したと発表しました。この動きは、昨年から北朝鮮軍が非武装地帯（DMZ）内で建設作業を行う過程で、MDLを繰り返し越境している状況を受けたものです。

新たな判断基準

合同参謀本部によると、新たな規定では、現場部隊が境界侵犯を判断する際、2つの基準を「総合的に」考慮するよう指示しています。

• 韓国軍の軍事地図に記載されたMDL
• 国連軍司令部が設定したMDL標識を結んだ線

この変更により、実質的に軍はより南側に引かれた線を基準に判断することが可能になります。更新された指針の下では、仮に北朝鮮兵士がMDL標識を結んだ線を越えたとしても、軍事地図上のMDLは越えていないと部隊が判断した場合、警告射撃などの対応を取らない可能性があります。

合同参謀本部のイ・ソンジュン報道官は定例記者会見で、「この決定は昨年から施行されているが、今年9月に隷下部隊へ公式な命令として通達された」と述べました。その目的については、「兵士の断固たる対応を保証すると同時に、偶発的な衝突を防ぐため」と説明しています。

今回の規定更新は、対話の窓口が閉ざされる中で、現場レベルでの緊張管理を優先する韓国側の実務的なアプローチと見られています。高まる緊張下で、意図しない武力衝突をいかに回避するかが、引き続き南北間の大きな課題となっています。