習近平氏、国有企業に「国家の礎」となるよう指示 - 中国、技術覇権に向け国家主導を強化
中国の習近平国家主席が中央国有企業に対し、産業高度化と重要技術の確保を主導するよう指示。米中技術競争が激化する中、中国が国家主導で経済成長と技術的自立を目指す姿勢を鮮明にしています。
中国の経済戦略が、新たな段階に入ります。民間企業ではなく、国家が直接イノベーションの先頭に立つ時代が本格化するかもしれません。中国の習近平国家主席は、中央政府が管轄する国有企業(SOEs)に対し、国の発展の「礎」としての役割を果たすよう指示しました。産業の高度化を推進し、重要技術を確保することが、中国の次なる成長段階の鍵を握ると強調しています。
「党と国家」への貢献という使命
この指示は、月曜日と火曜日に北京で開催された中央国有企業の幹部会議で伝えられました。習氏は、「中央国有企業は、自らが担う責任と使命を十分に認識し、党と国家の全体的な優先事項により良く貢献しなければならない」と述べたとされています。これは、経済的利益の追求だけでなく、国家戦略の実行部隊としての役割をSOEsに強く求めたものです。
技術的自立への道筋
「重要技術の確保」という言葉の背景には、米国との間で激化する技術覇権争いがあります。半導体や人工知能(AI)、次世代通信といった分野で、中国は海外技術への依存を減らし、国内でのサプライチェーン完結を目指しています。政府の強力な資金力と長期的視点を持つ国有企業は、リスクが高く投資回収に時間がかかる先端技術開発に最適だと判断されたとみられます。
民間企業と国際社会の視線
一方で、この国家主導の方針は、これまで中国経済の成長を牽引してきた民間企業の活力を削ぐ可能性も指摘されています。また、国際社会からは、政府の補助金を受けた国有企業が不公正な競争を助長するのではないかという懸念の声も上がっています。米国や欧州は、中国の産業政策が世界貿易のルールを歪めていると主張しており、今回の動きはさらなる貿易摩擦の火種となる可能性もあります。
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