XRPの矛盾:ネットワークは活況なのに価格は下落
XRPレジャーの日次決済が270万件に急増し、AMM流動性プールも2.7万に拡大。しかしXRP価格は年初来26%下落。ネットワーク活動とトークン価値の乖離が示す構造的問題とは。
ネットワークが最も活発に動いているとき、そのトークンの価格が下がり続けているとしたら、何かが根本的にずれているのかもしれない。
数字が語る矛盾
XRP Ledger(XRPL)は今、過去12ヶ月で最も忙しい状態にあります。XRPSCAN のデータによると、日次の決済件数は最近 270万件 を超え、2025年末の約 100万件 から急増しています。1秒あたり20〜26件のトランザクションを処理し、自動マーケットメーカー(AMM)プールは 2万7,000 にまで膨らみ、1万6,000 種類以上のユニークトークンをサポートしています。
さらに注目すべきは現実資産(RWA)のトークン化です。RWA.xyzのデータによれば、XRPLにおけるトークン化資産の価値は過去30日間で 35% 増加し、4億6,100万ドル に達しました。ステーブルコインの転送量は同期間で 11億9,000万ドル を記録しています。
ところが、XRP のトークン価格は 1.37ドル 前後で推移し、年初来 26% 下落。2025年末につけた高値 3.65ドル からは 62% もの下落となっています。
なぜ「使われているのに上がらない」のか
暗号資産の世界には長らく「ネットワーク活動が増えれば、ネイティブトークンの価値も上がる」という定説がありました。イーサリアムがDeFiサマーで急騰し、ソラナがミームコインブームで上昇したのはその典型例です。しかしXRPはその公式を裏切っています。
最も説得力のある説明は、構造的な問題です。XRPLの活動増加の多くを牽引しているのは、Ripple が発行するステーブルコイン RLUSD と、XRPをブリッジ通貨として一時的に利用するトークン化資産です。国際送金の決済プロセスでXRPが使われる時間はわずか数秒。イーサリアムのステーキングやソラナのDeFiロックアップのように、トークンが長期間「拘束」されることはありません。ネットワークは忙しくなるが、希少性は生まれない——これが価格上昇につながらない根本的な理由です。
DeFiLlamaのデータはこの構造をより鮮明に示しています。XRPLのTVL(総預入価値)は 4,754万ドル。時価総額 840億ドル のチェーンのDeFiエコシステムとしては、あまりに小さな数字です。比較すると、ソラナのTVLは約 40億ドル、イーサリアムは 400億ドル 超。XRPの時価総額の大部分は、オンチェーン活動ではなく、投機的なポジションとETF期待によって支えられているのが現実です。
日本市場への視点:「実需」と「投機」の境界線
ここで日本の投資家にとって重要な問いが浮かびます。Ripple はかつて SBI Holdings と深い提携関係を築き、日本の金融機関との協業を積極的に進めてきました。国際送金の効率化というXRPの本来のユースケースは、日本の銀行業界にとっても関心の高いテーマです。
しかし今回の乖離が示すのは、「実際に使われている」ことと「投資対象として価値がある」ことは必ずしも一致しないという現実です。製造業の文脈で言えば、部品として大量に使われるが利益率が薄い素材と似ています。XRPがブリッジ通貨として機能すればするほど、その「消耗品」としての性質が強まり、長期保有の動機が薄れる可能性があります。
一方で、RWAトークン化の分野では明るい材料もあります。XRPLは特定のトークン化カテゴリで複数の大規模チェーンを上回っており、30日間のRWA転送量は 1億4,900万ドル と前月比 1,300%超 の増加を記録。機関投資家レベルの本物の資金フローが起きている可能性を示しています。日本のメガバンクや証券会社がRWAトークン化に本格参入する場合、XRPLのインフラが選択肢に入ることは十分考えられます。
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