米・イスラエルがイランを攻撃——中東の新たな戦火
米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃を開始。テヘラン市民が献血に並び、イラン大統領は「屈しない」と宣言。中東の緊張が新たな段階へ。
テヘランの病院の前に、長い列ができている。献血を申し出る市民たちだ。爆撃の音が遠くに響く中、人々は静かに順番を待つ。これが今、イランの首都で起きていることだ。
何が起きているのか
米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃が始まった。攻撃の規模や具体的な標的についての詳細は現時点で確認中だが、ドーハへの直行便が戦争勃発以来初めて再開されたことをアルジャジーラの記者が報じており、地域全体の航空・物流インフラへの影響が広がっていることが伺える。
イランのペゼシュキアン大統領は「米国とイスラエルの圧力には決して屈しない」と声明を発表した。一方、ニューヨークでは数百人が街頭に出て、米・イスラエルの攻撃に抗議するデモを行った。
ローマでは、教皇レオが中東における対話を呼びかけ、国際社会への仲介を訴えた。
ここに至るまでの経緯
イランの核開発問題をめぐる緊張は、数十年にわたる歴史を持つ。2015年の核合意(JCPOA)からの米国離脱、その後の制裁強化、そしてイランの核濃縮活動の再開——この積み重ねが、今回の軍事行動の遠因となっている。
イスラエルにとって、核保有能力を持つイランは「実存的脅威」と位置づけられてきた。米国内では、トランプ政権がネタニヤフ首相への恩赦を検討しているとの報道もあり、米・イスラエルの連携が一段と強まっているとの見方もある。イスラエルのヘルツォグ大統領はこの問題について公式の反応を示した。
世界はどう見るか
今回の攻撃に対する反応は、立場によって大きく異なる。
イラン側から見れば、これは主権国家への侵略であり、国民の結束を強める出来事だ。テヘラン市民が自発的に献血に向かう姿は、その象徴と言えるだろう。
米・イスラエル側の論理は、核拡散の防止と地域の安全保障にある。イランが核兵器を保有することへの懸念は、中東の多くの国が共有している側面もある。
国際社会、特に欧州や国連は対話による解決を求めているが、その声がどれほど届くかは不透明だ。
日本にとって、この紛争は決して対岸の火事ではない。日本はエネルギーの多くを中東に依存しており、ホルムズ海峡が封鎖されるような事態になれば、原油価格の急騰は避けられない。2022年のロシアによるウクライナ侵攻がエネルギー価格に与えた影響を思えば、その深刻さは想像に難くない。トヨタやソニーをはじめとする日本企業のサプライチェーンにも、間接的な影響が及ぶ可能性がある。
今、この瞬間に問われること
軍事行動が始まった今、最も懸念されるのは人道状況の悪化だ。テヘランの市民が献血に並ぶという光景は、戦争が政治や軍事の問題である前に、生身の人間の問題であることを改めて示している。
停戦交渉の糸口はあるのか。教皇の対話呼びかけや国際社会の仲介努力が実を結ぶかどうかは、今後数日間の動向にかかっている。
記者
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