トランプ政権のイラン攻撃、「直感外交」の危険な賭け
トランプ大統領がイラン攻撃を決断した複雑な経緯と、議会承認なしに戦争を始めた「直感外交」の問題点を分析
「交渉していた相手が先に攻撃してくると強く感じた」。トランプ大統領は記者団に対し、イラン攻撃の理由をこう説明した。証拠は示さなかった。
絶えず変わる攻撃理由
トランプ政権がイランを攻撃した理由は、日を追うごとに変化している。核兵器開発阻止、弾道ミサイル脅威、抗議活動参加者の殺害への報復、イスラエルからの要請への対応——どの説明も単独では説得力に欠ける。
ルビオ国務長官は議会指導部への説明で「イスラエルの行動があることを知っており、それがアメリカ軍への攻撃を引き起こすことを知っていた」と述べた。一方でヘグセス国防長官は核開発計画について言及し、トランプ自身は「報復」について語った。
アトランティック誌の国家安全保障担当記者ミシー・ライアンは、この状況を「トランプと側近たちがリスクを取り、直感に従う意欲を示す新たな外交政策の要素」と分析する。
議会軽視の戦争決定
最も深刻な問題は、議会への事前通告がほとんどなかったことだ。シャヒーン上院議員(民主党、外交委員会筆頭理事)によると、攻撃前週に行われた「ギャング・オブ・エイト」(議会指導部8人)への説明でも「何らかの行動が取られる可能性があるという示唆」があっただけだった。
「共和党であれ民主党であれ、これまでの大統領は関連委員会の指導者に事前説明を行ってきた」とシャヒーン議員は指摘する。憲法は戦争宣言の権限を議会に与えており、建国の父たちは一人の指導者にそのような権力を与えることを懸念していたからだ。
準備不足が露呈
攻撃後の混乱は、政権の準備不足を物語る。中東14カ国でアメリカ人に退避勧告が出されているが、大使が駐在するのは6カ国のみ。しかも外交経験を持つ職業外交官は4人だけで、レバノンとイスラエルの大使は外交経験のない政治任用者だ。
「退避が必要だと言われているが、フライトが取れない。避難計画もない。大使館に助けを求める人もいない」——中東に取り残されたアメリカ人たちの声が、政権の場当たり的な対応を浮き彫りにしている。
「直感外交」の代償
トランプの直感に基づく戦争決定は、劇的な結果をもたらした。40年近くイランを支配したハメネイ師は24時間以内に死亡した。しかし、過去や未来を考慮しない直感外交には大きなリスクが伴う。
同盟国との事前協議もほとんどなく、ハメネイ師の後継者についても十分な検討がなされていない。「我々が念頭に置いていた人物の多くは死んでしまった」とトランプは記者団に語った。
記者
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