シリア新政権の国際復帰と内政の矛盾
元アルカイダ司令官シャラ氏がシリア新政権を率いて国際社会に復帰したが、国内では政治参加の機会が限定的で新たな不安定要因が生まれている。
元アルカイダの司令官が、1年という短期間で独裁政権を倒し、国際制裁を解除させ、数十億ドルの投資約束を取り付けた。アハメド・アル・シャラ氏が率いるシリア新政権の外交的成果は、確かに目覚ましいものがある。
驚異的な国際復帰
2024年12月にアサド政権が崩壊した時、シリアは国際的な孤立状態にあった。ハヤート・タハリール・アル・シャム(HTS)は国連安保理の制裁対象組織であり、シャラ氏自身も2025年11月まで個人制裁を受けていた。
それにも関わらず、新政権は短期間で劇的な変化を遂げた。ロシアとの関係を維持し、湾岸諸国から復興支援の約束を取り付け、西側諸国には段階的な制裁解除を実現させた。11月にはシャラ氏がホワイトハウスを訪問し、イスラム国(ISIS)との戦いで米主導の国際連合への協力を約束している。
この外交的成功の背景には、新政権の現実的なアプローチがある。化学兵器インフラの解体、イラン系武装組織の排除、外国人戦闘員の国軍への統合など、西側諸国の懸念に具体的に対応した。カタール、サウジアラビア、トルコの巧妙なロビー活動も功を奏した。
国内統治の課題
外交面での成功とは対照的に、国内政治では深刻な課題が浮上している。HTSを効果的な戦闘組織に変貌させた特質——厳格な指揮系統、生存を最優先とする現実主義、ライバルを無力化する冷徹さ——が、今度は国家再建の障害となっている。
新政権は権力を元HTS指導者の狭い範囲に集中させており、シリアの政治的未来について明確なビジョンを示していない。宗教・民族的少数派や、新指導部のイデオロギーに懐疑的なスンニ派住民は、新しいシリアにおける自らの立場を確信できずにいる。
特に深刻だったのが北東部の情勢だ。10年以上にわたってクルド系のシリア民主軍(SDF)が支配していた地域に、シリア政府軍が進出した。先週のSDF・政府間合意により、同組織の国家機関への統合プロセスが始まったが、これは緊張緩和の第一歩に過ぎない。
日本への含意
日本にとって、シリア情勢は直接的な安全保障上の脅威ではないものの、中東地域の安定は重要な関心事項である。日本企業の多くが依存するエネルギー供給ルートや、トヨタ、日立などの企業が展開する中東市場への影響を考慮する必要がある。
また、シリア難民問題への対応でも、日本は人道支援を通じて国際社会での責任を果たしてきた。新政権の安定化は、難民の帰還や地域全体の平和構築に寄与する可能性がある。
包摂的政治への転換点
シャラ氏は過去10年間で組織を国際的なジハードから戦略的パートナーシップへと転換させた実績を持つ。2024年のアサド政権崩壊直前にも、イドリブ県での民衆抗議に対して限定的な改革を許可している。
現在の課題は、この柔軟性を国家レベルで発揮できるかどうかだ。外国からの投資と支援を確保した今、シリア国民に真の政治的発言権を与える時が来ている。
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