関税返還を求める企業が殺到、2000件超の訴訟ラッシュ
最高裁判決後、関税返還を求める企業の訴訟が2000件を突破。1400億ドルの運命は法廷の手に委ねられた。
フェデックスの貨物機が並ぶロサンゼルス国際空港。同社は先週、関税返還を求める訴訟を起こした企業の一つだ。「輸入記録者としての権利を守るため」という理由で。
この光景は今、アメリカ全土で繰り広げられている。最高裁がトランプ前大統領の関税政策を無効とした判決から一週間、企業による関税返還請求の訴訟件数は2000件を突破した。
法廷に委ねられた1400億ドル
最高裁判決は関税の違法性を認めたものの、返還手続きについては言及しなかった。その結果、1400億ドルという巨額の関税収入が宙に浮いた状態となっている。
ダラー・ゼネラルやフェデックスといった大手企業が続々と訴訟に参加する一方、眼鏡大手のエシロールルクソッティカ(レイバンの製造元)のように数ヶ月前から準備していた企業もある。
フェデックスは声明で「勝訴した場合、関税を支払った顧客や荷主に返金する予定」と表明。企業側の本気度が窺える。
前例はあるが、規模は史上最大
実は、アメリカ政府による関税返還は過去にも例がある。1998年には最高裁の命令により、数千社を対象とした返還プロセスが実施された。直接訴訟に関わらなかった企業にも返金が行われたという。
しかし今回の規模は桁違いだ。トランプ政権は返還手続きを迅速に進めるか、それとも法廷闘争で時間を稼ぐか、相反するシグナルを送り続けている。一方で、新たな関税徴収の法的枠組み構築も模索しているが、これもまた法廷での争いは避けられない見通しだ。
日本企業への波及効果
日本企業にとって、この動きは他人事ではない。ソニーやトヨタなど、アメリカ市場に深く関わる企業は、自社の関税負担についても検討を迫られる可能性がある。
特に注目すべきは、返還プロセスの透明性と公平性だ。大手企業が優先的に処理される一方で、中小企業が後回しにされるリスクもある。日本企業は、アメリカでの事業展開において、こうした法的リスクへの備えをより一層強化する必要があるだろう。
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