片手にミサイル、片手にシャベル:金正恩氏の北朝鮮、軍事力増強と経済アピールの二正面戦略
北朝鮮の金正恩総書記が、新型ミサイル実験を視察し軍需生産拡大を指示する一方、国内では工場やホテルの開業式典に出席。軍事力増強と経済発展アピールを同時に進める二正面戦略の狙いを分析します。
一方の手には新型ミサイル、もう一方の手には工場の設計図。今週、北朝鮮が見せたのは、軍事力増強と国内経済発展という二つの顔でした。金正恩(キム・ジョンウン)総書記は、新型対空ミサイルの発射実験を視察し、軍需工場の生産能力拡大を指示する一方で、娘を伴って地方の工場や観光地のホテル開業式典に相次いで出席しました。この一見矛盾した動きは、北朝鮮の計算された国家戦略を浮き彫りにしています。
加速する軍事力の誇示
朝鮮中央通信(KCNA)によると、金総書記は新型の長距離対空ミサイルの発射実験を視察しました。さらに、建造中である8,700トン級の原子力潜水艦の現場を訪れ、韓国の原子力潜水艦建造計画が地域の「不安定性を悪化させる」と警告したと報じられています。これに加え、金総書記はミサイルや砲弾の生産能力を拡大するため、新たな軍需工場の建設を指示し、戦争抑止力の強化が重要であると強調しました。
ロシアとの結束と国内の祝祭ムード
対外的には、ロシアとの連携強化が鮮明になりました。KCNAは、ロシアのプーチン大統領が金総書記に新年のメッセージを送り、ウクライナでの戦争における北朝鮮軍の「英雄的」な派遣を称賛したと伝えました。その一方で、国内では金総書記が娘と共に新浦(シンポ)市や長淵(チャンヨン)郡の工場、さらに三池淵(サムジヨン)市に新設された5つのホテルの開業式典に出席。地方開発への意欲をアピールしました。
消えゆく先代の影
興味深いことに、国営メディアは金総書記の祖母にあたる金正淑(キム・ジョンスク)氏の誕生日(12月24日)について一切言及しませんでした。これは、金総書記が先代への依存を減らし、自身の権威を確立しようとする動きの一環と見られています。
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