米軍、イラン無人機を撃墜―空母への「攻撃的接近」で自衛措置
米軍がアラビア海で空母に接近したイラン無人機を撃墜。外交交渉を控えた中東情勢の緊張激化が日本の安全保障戦略にも影響を与える可能性。
アラビア海で火曜日、米軍のF-35C戦闘機がイラン無人機を撃墜した。無人機は米空母USSエイブラハム・リンカーンに「攻撃的に接近」していたという。両国の外交交渉を目前に控えた中で起きた軍事衝突は、中東の緊張をさらに高める結果となった。
空母から500マイル沖での「自衛措置」
米中央軍のティム・ホーキンス大佐によると、イラン無人機は「意図不明」のまま空母に接近し、F-35Cが「自衛のため」に撃墜したという。事件発生時、空母はイラン沿岸から約800キロメートル離れた位置にあった。米軍側に被害や負傷者は報告されていない。
同じ日、イランの革命防衛隊(IRGC)が世界最大の石油輸送路であるホルムズ海峡で米国籍商船に「嫌がらせ」を行ったとも発表された。これらの事件は、ドナルド・トランプ大統領がイランに核開発制限合意への交渉を迫る中で発生している。
外交と軍事圧力の綱渡り
興味深いのは、この軍事衝突が起きた同日に、米政府が「今週後半の交渉は予定通り実施」と発表したことだ。カロライン・レビット報道官は、トランプ大統領が「常に外交を優先する」としながらも「軍事力行使を含むあらゆる選択肢がテーブルにある」と述べた。
当初、スティーブ・ウィットコフ特使とイランのアッバス・アラグチ外相がイスタンブールで会談予定だったが、イラン側がオマーンでの二国間会談を希望しているとの報道もある。イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は「適切な環境が整えば」米国との交渉に応じる意向を示している。
日本への波及効果
中東情勢の不安定化は、エネルギー安全保障を中東に依存する日本にとって看過できない問題だ。ホルムズ海峡は日本の原油輸入の約8割が通過する生命線でもある。また、米国の軍事プレゼンス強化は、日米同盟の枠組み内で自衛隊の役割拡大議論を再燃させる可能性もある。
イランの最高指導者ハメネイ師は「いかなる攻撃も地域戦争を引き起こす」と警告している。昨年6月のイスラエル・イラン12日間戦争では、イランが数百発のミサイルと無人機でイスラエルを攻撃し、カタールの米軍基地にもミサイル攻撃を実行した経緯がある。
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