ジェットブルー、スピリット航空への買収提案を33億ドルに増額ーフロンティアとの攻防激化

米ジェットブルー航空が、スピリット航空への買収提案額を総額33億ドルに引き上げ。フロンティア・グループとの買収合戦が激化する中、独禁法リスクをカバーする逆違約金も増額しました。

米航空会社のは月曜日、競合する格安航空会社（LCC）のに対し、買収提案額を再度引き上げたと発表しました。これにより、との間で繰り広げられている買収合戦は、さらに激しさを増しています。

現金での「最終提案」の具体的内容

ジェットブルーが提示した新たな条件は、の株主に対し、1株あたり現金を支払うというものです。これには、買収承認後に前払いされる1株あたりの現金配当が含まれており、買収総額は約に上ります。

この提案は、が提示している現金と株式を組み合わせた案を金額面で大きく上回っており、の株主にとってより魅力的であると側は主張しています。

これまでの取締役会は、規制当局による承認の見通しが不透明であるとして、の提案に難色を示してきました。この懸念に対応するため、は「リバース・ブレークアップ・フィー（逆違約金）」をに増額しました。これは、もし独占禁止法上の理由で買収が破談になった場合、とその株主に支払われる保証金です。

PRISM Insight: 価格か、確実性か

今回の買収劇は、金額的な魅力と規制当局の承認という確実性のどちらを株主が重視するかという典型的な事例です。ジェットブルーは高額な違約金を設定することで「確実性」のリスクを金銭で補う戦略をとっています。この買収の行方は、米国のLCC市場の勢力図を大きく塗り替える可能性があります。