9800光年先の孤独な放浪者:浮遊惑星の直接質量測定 2026年までの最新報告
2024年の現象を解析し、科学者が初めて浮遊惑星の直接質量測定に成功。9800光年先の土星級惑星の正体とは?視差法を用いた画期的な観測成果をChief Editorが解説。
親星を持たない「浮遊惑星」の重さを、人類は初めて正確に測ることに成功しました。これまで統計的な推測に頼らざるを得なかった宇宙の孤児たちの実態が、ついに具体的な数値として明らかになったのです。
浮遊惑星の直接質量測定を実現した観測手法
学術誌「Science」に掲載された最新の研究によると、北京大学のSubo Dong教授率いるチームは、銀河系を彷徨う孤立した惑星の質量を直接測定したと発表しました。この惑星は地球から約9,800光年離れた場所に位置しており、その質量は木星の約22%、つまり土星クラスであることが判明しました。
自ら光を放たず、主星の周りも回らない浮遊惑星の発見は極めて困難です。今回の成功の鍵は、遠方の恒星の前を惑星が横切る際に重力で光が歪む「重力マイクロレンズ現象」にありました。2024年5月に発生したこの現象を、地上の望遠鏡と欧州宇宙機関(ESA)の探査機「Gaia」が同時に観測。約2時間というわずかな観測時間のズレを利用した「視差(パララックス)」の原理により、距離と質量を個別に算出することに成功したのです。
太陽系外へ弾き出された「星の子供」たち
これまでの観測では、質量が重い「茶色い矮星(星になり損ねた天体)」との区別がつきにくいという課題がありました。しかし、今回の観測で土星と同程度の軽い質量が証明されたことは、この天体がかつて太陽系のような場所で形成され、その後の天体衝突や重力的な乱れによって外へ放り出された「本物の惑星」であることを強く示唆しています。
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