リップル、豪州ライセンス取得へ――APAC決済量が前年比2倍に
リップルがBC Payments Australiaの買収を通じてオーストラリア金融サービスライセンスを取得予定。APAC決済量が前年比ほぼ2倍となり、100億ドル規模の処理量を達成した同社の戦略を読み解く。
国際送金に1週間かかっていた時代は、静かに終わりを告げつつあります。
リップル(Ripple)は2026年3月11日、オーストラリアの決済会社 BC Payments Australia Pty Ltd の買収を通じて、オーストラリア金融サービスライセンス(AFSL)を取得する計画を発表しました。買収が完了すれば、同社は世界で75以上のライセンスを保有することになります。この動きは、単なる地理的拡大ではありません。アジア太平洋地域(APAC)における決済インフラの主導権をめぐる、静かで着実な争いの一局面です。
なぜ今、オーストラリアなのか
リップルのAPAC担当マネージングディレクター、フィオナ・マレー氏は「オーストラリアはリップルにとって重要な市場であり、AFSLはリップル・ペイメンツを地域全体でスケールさせる能力を強化する」と述べています。その言葉を裏付けるように、同社のAPAC決済量は2025年に前年比でほぼ2倍に拡大しました。具体的な数字は非公開ですが、同社が先週発表した全体の処理量——60市場で合計1,000億ドル(約15兆円)——の一部を担っていることは確かです。
オーストラリアでは現在、Hai Ha Money Transfer、Stables、Caleb & Brown、Flash Payments、Independent Reserve といった企業がすでにリップル・ペイメンツを利用しています。AFSLを取得することで、オンボーディング、コンプライアンス、資金調達、外国為替、流動性管理、支払いを単一の統合で提供できるようになります。
ライセンス取得の方法も注目に値します。リップルは新規申請という正攻法ではなく、すでにAFSLを保有する企業を買収するという迂回路を選びました。これは市場参入を加速させる現実的な判断ですが、買収が完了しなければライセンスも得られないという条件付きのリスクも内包しています。
中央銀行との連携という新たな文脈
リップルはまた、オーストラリア準備銀行(RBA)とデジタル金融協同研究センター(DFCRC)が主導するデジタル資産インフラ構想「プロジェクト・アカシア(Project Acacia)」への参加も表明しました。民間企業が中央銀行主導のイニシアチブに加わるこの構図は、暗号資産業界が規制当局との対立から協調へと軸足を移しつつあることを示しています。
この動きは日本にとっても無縁ではありません。日本銀行はデジタル円(CBDC)の実証実験を継続しており、SBI Remit などの国内送金事業者はすでにリップルのネットワークを活用しています。オーストラリアでの規制基盤の強化は、リップルがアジア全体でのポジションを固める布石となり得ます。
勝者と敗者の構図
この動きから恩恵を受けるのは誰でしょうか。まず、オーストラリアや日本など規制が整備された市場で活動するフィンテック企業は、より信頼性の高い決済インフラにアクセスできるようになります。海外送金を頻繁に行う在豪日系企業や個人にとっても、コスト低下と速度向上が期待されます。
一方で、既存の銀行や送金業者にとっては競争圧力が増します。SWIFTを中心とした従来の国際送金ネットワークは、処理速度とコストの両面でブロックチェーンベースのソリューションとの差を問われる局面が続いています。
XRPは記事執筆時点で1.38ドル前後で推移しており、日次で+0.3%、週次で+1.7%と小幅な上昇にとどまっています。今回の発表がXRP価格に直接的な影響を与えていないことは、市場がこうした規制上の進展を「既定路線」として織り込みつつある可能性を示唆しています。
本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。
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