トランプ政権、カリフォルニア州の「詐欺調査」に着手
ミネソタ州での移民取締まり作戦後、右派インフルエンサーらがカリフォルニア州の社会保障制度を標的に。民主党州への連邦介入の新たな手法か?
3000万人が住むカリフォルニア州が、トランプ政権の新たな標的となっている。ミネソタ州での移民取締まり作戦から1か月後、右派インフルエンサーたちは今度は全米最大の民主党州に照準を合わせ始めた。
ミネソタからカリフォルニアへ:拡大する「詐欺調査」
ミネソタ州でソマリア系保育施設の1億ドル詐欺疑惑を告発したYouTubeビデオで注目を集めた右派インフルエンサー、ニック・シャーリー氏が、今度はカリフォルニア州に到着したことをInstagramで発表した。「秘密がバレた」という投稿と共に、ケイティ・ペリーの「California Gurls」を背景音楽に使用するなど、まるでエンターテインメント番組のような演出だった。
シャーリー氏はミネソタ州での「調査」と同様の手法を適用する予定とみられる。彼のミネソタでのビデオは、保育施設を訪問して子どもたちの存在を確認するという直接的なアプローチで話題となった。今回も私立探偵のエイミー・ライヒャート氏と協力し、カリフォルニア州の「ゴースト保育園」を調査すると主張している。
政権幹部も参戦:多方面からの攻勢
注目すべきは、これらの活動が単なる個人の取り組みではないことだ。トランプ支持者として知られるベニー・ジョンソン氏は、カリフォルニア州の「ホームレス産業複合体」を告発する独自の「ドキュメンタリー」を公開。共和党知事候補2名と協力し、連邦資金の不正使用疑惑を追及している。
さらに深刻なのは、政権の要職にある人物も参加していることだ。メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)のメフメト・オズ長官は、カリフォルニア州のアルメニア系コミュニティでの医療詐欺疑惑を取り上げたビデオを公開。「ロシア系アルメニアンマフィアによる運営」と表現し、ギャビン・ニューサム知事の事務所から公民権侵害の申し立てを受ける事態となった。
SNSエコシステムの力学
イーロン・マスク氏もこの流れに加わり、「本当に狂気的なレベルの詐欺だ!」とFoxニュースの報道をリポスト。シャーリー氏の最初のミネソタビデオを押し上げたマスク氏の影響力が、再び発揮されている。
元大統領候補のラリー・エルダー氏は「カリフォルニアの詐欺は、ミネソタのそれをスターターキットに見せる」とコメント。右派メディア「Real America's Voice」なども積極的にこれらのコンテンツを拡散している。
連邦政府の本格介入への布石
トランプ大統領は先週、Truth Socialで「カリフォルニアの詐欺調査が始まった」と投稿。司法省には詐欺調査に特化したコリン・マクドナルド氏を新たに起用した。
ホワイトハウス高官は先月、WIREDに対して「詐欺があまりにも露骨で広範囲なため、ミネソタは始まりに過ぎない。カリフォルニアとニューヨークが次だ」と明言していた。ICEの役割について問われた際には、「詐欺師が不法移民なら強制送還する」と答えている。
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