ビットコインvs金:中東危機で露呈した「安全資産」の新たな現実
レイ・ダリオが「金こそ唯一の安全資産」と主張した同日、金は3%下落、ビットコインは1%未満の下落。米イラン紛争で見えた資産の新たな序列とは?
3% vs 0.7%。この数字が物語るのは、伝統的な「安全資産」の概念が根本から揺らいでいるという現実だ。
世界最大のヘッジファンドブリッジウォーター・アソシエーツの創設者レイ・ダリオ氏が火曜日、人気ポッドキャスト「All-In」でビットコインを痛烈に批判した。「金こそが唯一無二の存在」「金は最も確立された通貨であり、中央銀行が保有する第2位の準備通貨だ」と語った。
しかし、皮肉にもその同日、金は168ドル下落して5,128ドルとなり、3%の急落を記録。一方、ビットコインは0.7%の下落にとどまり、68,700ドルで取引を終えた。米イラン戦争開始から5日目のこの日、ダリオ氏が推奨する資産の方が、まさに彼が言う「保護すべき危機」により大きな打撃を受けたのだ。
「デカップリング」が示す新たな序列
この乖離は今に始まったことではない。ビットコインと金は7月から10月初旬まで連動していたが、10月の暗号資産クラッシュで200億ドルのレバレッジポジションが清算されて以降、両資産は正反対の動きを見せている。
ビットコインは10月のピークから45%以上下落した一方、金は同期間に30%上昇し、5,100ドル超まで値を上げた。しかし今週の中東危機では、従来の「有事の金買い」シナリオが機能していない。
土曜日の初期攻撃で金は急騰したものの、紛争拡大と石油供給懸念が主要な関心事となると、その上昇分を吐き出した。ビットコインは土曜日に売られ、日曜日にイラン最高指導者ハメネイ師の死去報道で反発。火曜日に70,000ドルで拒否された後、現在は67,000ドル台半ばで推移している。
ダリオ氏の三つの懸念
ダリオ氏のビットコイン批判は具体的だった。まず透明性の問題。「あらゆる取引が監視可能で、直接的に、おそらく統制される可能性がある」と指摘。中央銀行がパブリック台帳で動作する資産を蓄積するかどうかに疑問を呈した。さらに量子コンピューティングを長期的な存亡リスクとして挙げた。
とはいえ、ダリオ氏は完全に弱気ではない。分散投資のためポートフォリオの約1%をビットコインで保有し、7月には米国の債務軌道を考慮して「ビットコインまたは金への15%配分」を推奨。「最良のリターン・リスク比」と評価していた。
「世界秩序」崩壊への処方箋
ダリオ氏は先月、米国主導の「世界秩序」が「崩壊した」と警告し、投資家は富の保護方法を再考する必要があると述べた。しかし、金が依然として唯一の処方箋なのかどうか、市場は活発に議論している。
日本の投資家にとって特に重要なのは、円安進行と日銀の政策転換期におけるポートフォリオ戦略だ。日本銀行の金準備は846トン(世界8位)だが、デジタル資産への言及は慎重なままだ。一方、日本の暗号資産取引量は世界第3位を維持している。
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