エヌビディアとOpenAI、1000億ドル投資話から5ヶ月で関係に亀裂
エヌビディアとOpenAIの巨額投資計画が頓挫。OpenAIがエヌビディア以外のチップを模索する背景と、AI業界の勢力図変化を探る。
1000億ドルの投資話から5ヶ月。エヌビディアとOpenAIの蜜月関係に暗雲が立ち込めている。
2025年9月、両社はエヌビディアがOpenAIのAIインフラに最大1000億ドルを投資する意向書を発表した。当時「数週間以内に詳細を確定する」と発表していたが、5ヶ月経った今も契約は成立していない。エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは「1000億ドルは決してコミットメントではなかった」と発言を後退させている。
OpenAIが求める代替案
ロイターの報道によると、OpenAIは昨年からひそかにエヌビディアチップの代替案を模索している。8人の関係者によると、OpenAIは推論タスクにおける一部のエヌビディアチップの処理速度に不満を抱いているという。
推論とは、訓練済みのAIモデルがユーザーの質問に応答を生成するプロセスだ。この問題はOpenAIのコード生成ツール「Codex」で顕著になった。OpenAIのスタッフは、Codexの性能制限の一部をエヌビディアのGPUベースハードウェアに起因すると考えているとされる。
ロイターの報道後、エヌビディアの株価は急落。両社は関係修復に努めている。OpenAIのサム・アルトマンCEOはXに「私たちはエヌビディアとの協業を愛しており、彼らは世界最高のAIチップを作っている。長期間にわたって巨大な顧客でありたい」と投稿した。
AI業界の新たな競争構図
この亀裂は、AI業界の勢力図に重要な示唆を与える。エヌビディアはAI用チップ市場で80%以上のシェアを握る圧倒的な存在だが、OpenAIのような大手顧客が代替案を模索し始めたことは、市場の多様化を予感させる。
日本企業への影響も無視できない。ソニーやトヨタなどがAI技術への投資を加速する中、チップサプライヤーの選択肢が広がれば、より柔軟な戦略が可能になる。一方で、技術の分散化は標準化の遅れを招く可能性もある。
興味深いのは、この対立が技術的な問題から始まっていることだ。推論処理の最適化は、AIサービスの品質とコストに直結する。OpenAIが求める性能要件は、次世代AIチップの開発方向性を示している可能性がある。
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